『この一杯が、この一言が、人生を変えるかもしれない。』
バーテンダーという仕事を通して、毎日、一杯のカクテルをつくったり、お酒を注いだり、お客様とお話しする中で大切にしている想いです。

私の”心”を込めた一杯が、お客様の人生をほんの少しでも豊かにできると信じている

一見、簡単に注ぐことのできるビールでも、日本酒やワインでも、『"心"を込めてこの一杯をつくる』。
いま、私がお出しするこの一杯が、頼んでくれたお客様の人生をほんの少しでも、豊かにできると信じているから。

何気なく放った一言が、目の前にいる1人のお客様を救うかもしれないし、傷つけるかもしれない。
だからこそ、普段からネガティブなことは言わない。
人の悪いところではなく良いところを見る。
綺麗な言葉をつかう。
たくさん笑う。
心と身体の両方を健康に保つ。
心がけることはたくさんあります。
カウンターの中にいる私は、いつだって輝いていたいから。

夜寝る前は"必ず"、今日一日、来てくれたお客様の事を一人一人ゆっくり思い出します。
初めての方は、顔や特徴を忘れないように。
名前を教えてくれた方の名前を覚えていられるように。
今日一緒に話した会話を、次来てくれた時も思い出せるように。

『いらっしゃいませ』ではなく、『こんばんは』や『おかえりなさい』を使ったり、『ありがとうございます』だけではなく『おやすみなさい』や『また明日』を付け加えたりする。
ただの、お店の人とお客様ではなく、このお店にいる"私"に会いたいと思って来てもらえる人でありたいから。

強く当たられたり、文句を言われることもある。大きな器で受け止められる人になりたい

老若男女問わず、関わることができる仕事であるからこそ自分より50歳以上も上、人生の大先輩である方の大切な人生に加わることができる。
もしかしたら、私のつくったお酒がその方にとって人生最後のお酒かもしれない。思い出に残る一言かもしれない。
20歳になりたての方の、お酒を楽しむことができる最初の日になるかもしれない。
生き疲れた方の、救いの一杯や一言になるかもしれない。

強く当たってきたり、文句を言ってきたりする方との会話も、もちろんその瞬間はすごく怖いし、あまり話したくないなと思うこともあるけれど、それもよく考えたら普段はとても温厚な方で、何か嫌なことがあっての事かもしれないし悲しいことがあって躍起になってしまっているのかもしれない。
そういう大きな器で話を聞いて、受け止められる人になりたい。

『その笑顔に癒された。』厳しい世の中だから、小さな幸せを届けられる人でありたい。

もちろん、接しているときはそういうことがわからないことがほとんどで、でも、見えない未来だからこそ一瞬一瞬の私が届ける一杯や紡ぐ言葉、心配りを大切に、
『今日嫌なことがあったけど、この一杯で元気が出た。』
『同じお酒でも、ここで飲むのがいい。』
『その笑顔に癒された。』
今、厳しい世の中だからこそ日常の中にある小さな幸せを届けられる人でありたい。