結婚も、早くしたもんがちと焦ってしまう

「結婚」と聞くと数年前までは、とてもストレスに感じていた。

「結婚」はクリスマスケーキと同じく24、25歳を過ぎると売れ残るよ。良い人は早く結婚してしまうから早く結婚するといいよ。

「今何歳?」「26歳です」「適齢期だね…」

就職して3年くらい、仕事に慣れてきて落ち着き始めた頃、友人が少しずつ結婚を決めてきた。
多くの人は今まで受験勉強、部活での大会、就職活動等、人と比べたり競争をしてきただろう。
それと同様に、結婚も早くしたもんがちとつい焦ってしまう。また今の時代、SNSが普及し、多くの同級生の近状もすぐわかるようになり、なおさらだ。さらに女性は出産、育児があり、35歳以降での初産は高齢出産となるし、子どもを育てるにも体力がいるのでそういった要因もあって急いでしまう。

結婚するなら、楽しさよりも優しさ?

私の周りで早く結婚した人のプロポーズの理由としては、一人暮らしが寂しいから、長く付き合ったから、転勤で遠距離になるから、といったものであった。
少し軽いなという印象を受けた。これから一生一緒に歩んでいくパートナーを果たしてこんなにも単純に決めていいのだろうか。
相手に対し、特別な想いを秘めていないと、ちょっとしたつまずきで亀裂が入ってしまうのではと思う。亀裂が入らないでも、結婚したから仕方ないとあきらめを持って日々を過ごしたら、むなしさを感じる。

話は戻るが、私自身結婚を焦ってしまった経験がある。先ほど述べたが結婚・出産は早い方が良いという話を、両親からもよく聞かされていた。
就職して1年目に将来設計を立てたのだが、その際には20歳代半ばで結婚すると目標に掲げていた。
実際25歳で相談所に入り、婚活を始め、良いかなと思った方と結婚することを前提に付き合っていた。結婚に向けていろいろと行動する段階までいっていたが、自分の心の中でしっくりこず、ついには断ってしまった。

婚活は恋人探しではなく、あくまで結婚相手探しだ。ややこしいことに私の場合、恋人にしたい人と結婚したい人が異なり、とても思い悩んだ。
恋人ではないけれど結婚するのなら、優しくて誠実だしいいかなと思って付き合っていた。正直付き合っていて、あまり楽しくは感じなかった。でも結婚なんだし、一緒にいて楽しいということは重要度は高くないかもしれない…。日常生活をともに乗り越えていけるパートナーと思える人の方が大切と当時の私は考えていた。

親には反対されなかったけれど

私が活動していた相談所は確か付き合ってから3ヶ月で結婚を決めなくてはならなかった。
結婚を判断するのには、時間が少なかった。
心では楽しくなくしっくりこなかったが、その一方で頭では、結婚するには良い人だと思う……と考え、自分の中で長い葛藤があった。
頭で考えた方を優先するのか、あるいは心で感じた方で決断すべきなのか。自分の判断だけで決められないし、一生の中で重要な選択なので、真剣に悩んだ。
結婚にまつわる本を3冊くらい読み、両親と数人の友人に相談し、占いにも行った。
様々な方の意見を聞き、総合的に考え結論を出したかったからだ。

意見は様々で余計に私を混乱させた。
両親は彼に1回会ったことがあり学歴や職業も申し分ない方で良いじゃないと言った。
あまりにもあっさり言われたので、それは客観的に表向きではねと反抗した。
その後、友人にも相談してみると、私に重大な影響を及ぼすものであるからなのか、話を親身に聞いてくれたが、大半の子は具体的な意見は言わなかった。
確かに私も実際に、友人の立場だったら安易に「こうした方がいいんじゃない」と言えないと思う……。
真剣に話を聞いてくれてありがとうと感謝し、結局は自分で判断しないとねと考えを改め直した矢先、ある1人の子は、違った。

どうか心が喜ぶ選択を

悩み事を伝えると、「これじゃあ、幸せになれないよ」と。
最初はサラッと聞きながしてしまったが、やがてハッとさせられた。
そうかもしれない!と。
私は何のために結婚するのだろう。
結婚という名の安定?周りの人からの重圧に逃れるため?そうだとしたら、相手に対しても失礼なことだ……!このことに気づくとすぐお別れする決断をした。

結婚もしていないし、非常におこがましいのだが、婚活や結婚を考えている人に伝えたい。
この人と幸せな家庭を築ける!といった未来を感じますか? 条件などいろいろ考えるところはあると思いますが、どうか心が喜ぶ選択をしてください!と。