結婚、したい。一回でいい。結婚したい。考えすぎて、情緒は安定の不安定だ。
27歳独身。いや、あと一ヶ月で28歳だ。彼氏はいない。3年ほどいない。25歳までは途切れなかった気もするが、越えてからは自然と絶えた。
「結構、そんな人たち多いのかなあ」という自分に優しい言葉と、「東京なら35歳くらいでいいんじゃない」という父の甘い言葉にほだされて、目下、天涯孤独ルート爆走中だ。
別れた理由を掘ると。添い遂げなかったことを褒めるべきな気がする
「じゃあ、なぜ、今までの人たちと別れたんだい」。そんな声も聞こえる気がする。時々、自分の内側からも聞こえてくる。
別れた理由を掘ってみるが、後悔をしていないことは確かだ。
母が亡くなった日に深夜5時までギターを弾く男、職場をばっくれて同業他社で働いて逆ギレした男、営業件数を貢がせる男、エリート風を吹かせるパスタをすすって食べる男…。
私の生活態度にも問題はあったのは認める。が、やはり書き連ねてみると、添い遂げなかったことを褒めるべきな気がする。
過去がダメなら未来だ。結婚は未来にしか残されていない。いや、残っていて欲しい。むしろ「残しておけよ」なんて、未来の私から半端ない圧を感じる。
母のその言葉は、なんだか私に課せられた使命に思えた
そもそも、なぜ結婚がしたいのだろう。
父にせめてもの親孝行で孫を見せたい、親戚中が独身貴族が多いのでせめて私だけでも、なんなら天国の母からの圧も感じる…?
ふと、母の遺言を思い出す。
「あんたが結婚したら、祖母も認めてくれるかな」
「孫をね、私は抱いてあげられないだろうから。ごめんね」
祖母は母の妹の方を可愛がり、母とは不仲な時期が長かったため、その言葉はなんだか私に課せられた使命に思えた。
その後、逆ギレ男、貢男、パスタ啜り男と浮き足で人生のほんの一瞬を歩いてみた。けれど、互いに傷が残る別れ方をしてしまった。
自身への罪悪感も相まって、恋愛は自然と自粛期間に入った。でも、それらの男は幸せになっていく。
やったもん勝ち側になれなくて、人間不信に勝手に陥り、結婚どころではなくなってしまった気がする。
自分が嫌いじゃないのは救いだ。そして、結婚への唯一の希望の光だ
それでも、私は未来に期待をしたい。なんだか接続語が多いこのエッセイから、少女漫画的な要素を汲み取ってくれる王子様が現れてくれないかとも考える自分が嫌いじゃない。
人間不信でありながらも、自分が嫌いじゃないのは救いだ。そして、結婚への唯一の希望の光だ。
なんなら白馬に乗って、コンクリートジャンクルを駆け巡ってこちらに手を伸ばしてくれても文句は言わない。少々痛々しさに病みいるが、しわくちゃになった頃には、「そんな時代もあったわね」と、二人で口ずさみもするだろう。
よって、私は、結婚、したい。一回でいい。結婚したい。
わがままを言えば、その後、子供も授かりたい。
止まることのない動物としての欲望に、今日も情緒不安定な夜を過ごしてゆく。