私が働くのはいつかやりたい事が見つかった時にそれを実現するためなのかもしれない。
大学生の時、1年間スイスに留学した。その時はホテルとか観光に携わる仕事がしたいと思い、留学先はホテルスクールが多いスイスにした。留学して半年は学校で色々な勉強をし、後半は現地のホテルのレセプションでインターンを経験した。
半年働いて思ったことは、楽しいし面白い仕事だけど私にとって天職ではないということ。旅行やホテルが大好きだからこそ非日常を感じられる場所であってほしい、裏側は見たくないと思った。
世界中から信頼されている日本製品を、世界の人に届けよう!
そこでどんな業界に就職したいか考えた結果が日本のメーカーだった。スイスでも日本メーカーの製品を見かける事はよくあったし、日本製は壊れないとよく友人達に言われた。マレーシア人のルームメイトは化粧品や薬は日本製にこだわっており、帰国して数年経った今でも日本のこれが流行っているよと連絡してくれる。世界の人から信頼されている日本製をもっと世界の色んな人に届けたい、そう思って日本のメーカーに就職しようと思った。
就活を終えてみると、留学を経験した友人の多くが同じように日本メーカーで働くことを決めていた。輸出に関わる部署で働くのもいいし、海外営業なんかして時々海外出張なんてのもいいな、出張がなくても国際電話とかWeb会議とかして世界の人と繋がりたいなとぼんやりと思っていた。
今、入社2年目が終わろうとしている。思い描いていた会社生活とは全く違い、日々の業務で海外に触れることすらない。そもそも帰国して数年経ち、海外へのこだわりもすっかり薄れてしまった。今はなんでこの会社に入りたかったのか、どんな仕事をしたかったのか分からない。
まだ見ぬその時のために、私は働いてお金と経験を蓄えている
私が日々働いているのは仕事がなくなったら日々やる事がなくて暇だし、学校を卒業したら働くのが当たり前だと思っているから。お金もないよりあったほうがいいし、不満はあっても辞めたいほど苦な仕事でもないから。それに経済的にも子どもができたら育休を取りたいし、転職するってなった時もある程度の経験がないと雇ってもらえなさそう。
こう考えたら私の働く理由ってすごくネガティブ。でも、どの理由もこれだ!ってしっくりこない。本当に本当の理由は違うところにあるのかも。だとしたらそれって何だろう。
そのヒントはSNSを見ていて嫉妬する瞬間にあった。やりたい事が分かっていて前職を辞めて新たな仕事をしている人、終電間際まで働いたことに達成感を感じている人、自分のお店を持っている人、そんな人達に私は嫉妬する。私にはない「やりがい」を感じている事が羨ましいのだ。
そうか、私はやりがいを感じたいんだ。そしてまだやりたい事が分からないからもどかしいんだ。今の仕事をもっとやり込んだらやりがいを感じるのかもしれないし、ある時ふとやりたい事が湧き出て転職したらやりがいを感じるのかもしれない。まだ見ぬその時が来た時のために私は働いてお金と経験を蓄えているんだ。そしてやりたい事を見つけられるようアンテナを張りに今日も私は社会に出続けているのかもしれない。