大学生活は5年かかった。3年の終わりから、どうにも足が遠のき、学校へいけなくなってしまった。1日中寝ては、ネットを見て、バイトもそこそこに、当時遠距離恋愛をしていた彼とのやり取りはうまく取り繕っていた。
親元から離れていたため、なかなか行けていないことを言い出せなかったが、最終学年の単位が危うくなり卒論が間に合わないと分かった秋の終わりに発覚し、4年の後期の途中から実家に帰り、5年目の春に復学しなんとか卒業したのだ。

 実をいうと、大学時代の5年間のことは、あまり覚えていない。たった5年ほど前のことなのに。布団をかぶっていた1年で、全部夢の中で溶けてしまったような感覚だ。
 けれども、どうも最近大学時代のことを眠る直前に思い出すようになってしまった。
当時はそれとなく仲良くできたと思っていたが、いいかげんで能力が低く、適当にことを済ます自分のことを、周囲はどう思っていたのだろうかと気づくと、本当に恥ずかしい。

「うまくやりたかった」のだ。華の女子大生として、地元を離れ、自由な自分の時間を得て、生涯付き合えるような友人が欲しく、可愛がってもらえる先輩とつながりたく、慕ってくれる後輩がいて、結婚を前提として彼氏を作りたかった。
 今思うと、私から差し出せたものは何かあっただろうか。もらってばかりではなかったか。

好きでもないスポーツのマネージャーになって、かけてしまった迷惑

 特に、好きでもないスポーツの部活にマネージャーとして入ってしまい、部員には相当迷惑をかけた。情熱が無いから遅刻もするし、仕事は出来ないし。
寝坊した遠征の朝、置いて行かれたのは堪えた。誰も私がいない事に気づかなかったのであった。タクシーで隣町までトバした。バカだったなあ。

 なんとか、なんとか仲良くなりたかった。けど、どう付き合っていったらいいかわからなかった。自分なりに、頑張ったつもりだったけど、私が居ることで、上位を目指すスポーツチームには足かせだっただろう。戦法も考えねばならないのに、コートにあがらないマネージャーのことも考えねばならない。サポートする側がマネージャーなのに、とんだ足手まといだった。

次々と思いだす、ありがとうとごめんなさいを伝えたい人たち

 みんな優しかった。大学に行けなくなって、部活にも行けなくなって、それでも「辞める」と言い出せなかった私に、辞めなよと言ってくれたMがいた。私を追い出した悪者のようにさせてしまってごめんなさい。あなたが言ってくれてほっとした。嫌な役回りをさせてしまった。
後に彼も退部したと知り、私の一件で居心地が悪くなったのではと思ったが、連絡のすべはもうない。

 いつも私のささやかな頑張りを認めてくれたA。もっと頑張れたらよかったのに、もっと頑張るべきだったのに、当時は気づけなかった。ごめんなさい。甘えさせてくれていた。大目にみてくれていた。ありがとう。もうどこに居るかも知らない。

 同じマネージャーだったYには、すべてを任せてしまった。私は当時きちんと引き継ぎが出来ていたのだろうか。覚えてもいない。私より遅く入部して、私がサポートしなければならなかったのに、持ち前の明るさですぐに溶け込んでしまった。
Yに嫉妬したこともある。ごめんなさい。Yは、Yなりに慣れない中できっとすごく頑張って仲間に入っていった。それぞれ苦手なことはあるからと言って、私のことも支えてくれていた。
SNSでつながっている彼女のつぶやきを見かけると、社会人になった今も頑張っているのだなあと思う。いつか、いいねのボタンでもいいから関わりたい。

 夢に出てくるみんなに、ごめんって言うと、また頑張ればいいと笑ってくれる。苦い思い出だ。忘れてしまいたいけれど、噛みしめて生きていく。
もう直接は言えないけれど、あの頃、頑張れなくてごめん。
 私、もっと頑張れたらよかった。