親からの言葉は、大人になっても深く残るものだと思う。
父にも母にもたくさん色々言われてきたけど、人との関わり方・物事を決めること・情報を把握することすべてにおいて、今の私がいるのは特に母のある言葉のおかげだと思う。
母にもらったある言葉、その意味を理解したのは高校生のときだった
「ある言葉」とは。
「一歩引いて周りをもっとみなさい」という言葉。
幼い頃からずっと言われてきた。
何度も何度も言われてきた。
なぜ、そこまで言われてきたかというと、周りをみず「楽しむこと」しか考えないで突っ走る私をみて、今後の人間関係の関わり方などを含めて不安を抱いていたそうだ。
私は長女として生まれた。厳しい両親にふてくされ右から左へと聞き流すことも多々あったが、この母の言葉だけは幼い頃から頭に残っていた。
ただ、すぐには実行しようと動くことはなかった。
だって「今が楽しいからいいじゃん」と思う自分がいた。
母の言葉を意識して行動に移すようになったのは、高校3年間を経てからだ。自分の性格と同級生の性格が合わず、上手く関係性が保つことができなかった。高校生時代は人間関係に苦しい思いをして笑えなくなるほど気持ちが沈んでしまったのだ。
母の言葉を通りにしていれば、こうならなかったはずだとようやく母の言葉の真意に気づくことになる。
言葉通りに行動すると、相手のことも自分がやるべきことも見えてきた
大学生になる直前、私はもう一度母の言葉を思い出した。
新たな環境になることで楽しみと不安を抱えていたし、これ以上人間関係にも困りたくない!と思い、意識しようと決めて行動に移した。
そこからの大学生活は一変した。
目の前にある「楽しみ」を満喫するのも大事だが、一歩引いて周りをみることで、見えてくる人間関係。
「この友人はもしかしたらこうしたいのかもしれない」
「あの友人は本当はこう言いたいのかもしれないから黙っていよう」など思うことができた。
円滑にいく方向や自分が思うように動きたいときに役に立つことに気付いた。
人間関係も大学生活の中で、色々起きたが高校時代ほど苦労することはなかったし、何より心から信頼できる友人に出会えた。
そして、物事を決めるとき、1つのことだけを考えるのではなく色んなパターンを考えることができるし、見つけることができた上で楽しむことができた。
「一歩引いて周りをみる」ことって簡単なようで難しくて、今でもできているかときかれたら時と場合によると答えてしまう。
全てのことができたらいいのだが、そこは人間だから100%完璧にはできない。
仕事とかまだ自分のテリトリー内に入ってなかったり予測が難しいと対処方法に悩んでしまうことがある。
しかし、それは慣れればできることだと思っているので、まずは慣れることを意識している。
一歩引いてみることで、自分がどう動いていきたいのか俯瞰してみることができるから次への一歩に踏み出しやすい。
自分が本当に何がやりたくてどうしていかなければならないかと、深く考えることができたのは母のおかげだと思う。
今の私は母がくれた言葉のおかげ。その感謝を伝えたい
これから先も、仕事でも私生活でも悩むこと、動かなければならないことが増えていくだろう。
時に周りを見すぎるあまり敏感になりすぎて、気持ち的にも体力的にも疲れてしまうことはある。でも、意識して動けば気持ちは強くいられるし振り回されることは減る。
幼いころに言われた言葉は、実は生きていく過程で背中を押してくれる言葉だったりする。
母の「自分と同じような思いをさせたくない」という親心があったからこその言葉。
いつか私に子供ができて、昔の自分と同じようになりそうだったらそっとこの言葉をかけてあげたい。
素直に聞いてくれるかもしれないし、聞いてくれないかもしれない。
失敗してもうまくいっても、私と同じようにどこかで気づく時があると思っている。
そして、母が幼い私にかけてくれた言葉があったから今がある。この感謝をちゃんと母に伝えなければならない。
私は、母の言葉を胸に今も、未来も生きていく。