私には大学1年の頃から付き合っていた彼氏がいた。大学野球部のマネージャーと選手。付き合い始めたきっかけは、部活帰り歩いて帰る私を車で帰る先輩が偶然通りかかって乗せてくれたこと。少女漫画に出てきそうなシチュエーション。4年間色々なことがあったけれどその度に乗り越えて私たちはそれぞれ大学を卒業した。社会人になってからは、遠距離恋愛が幕を開けた。

私には急だった別れを受け入れられず、半年間待ってもらった

今思い返せば、いつだって会いに行くのは、私。交通費は彼氏持ち。好きだよと言うのは私から。好きだよと言うと好きだよと返ってくる。どこに行きたい?と毎回聞かれ、私が行きたいところに行っていた。私が追いかけ続けた恋愛だった。
それに気が付いたのは、別れてからだ。5年が経った頃、急に別れを告げられた。
正確には、私だけが急にだと思っていた。彼はずっと考えていた。このすれ違いがあったからこそ、受け入れることができなくて、半年かかった。
その半年間、彼は待ってくれていた。いつか気持ちが変わってくれるんじゃないか、そう思っていたが気持ちは変わらなかった。何度泣いても戻ってこないし、元々私の幸せはここにはなかったのかもしれない…。

なぜあの人は半年間も私の気持ちが整うまで待っていたのだうか、今思えばかなり残酷だ。私にとっては復縁のための半年間だったが、彼にとってはどんな半年間だったのだろう。

別れたくないと執着している時、とんでもなく醜い顔をしていた

私がこの5年半で得たものは、自分が好きな自分でいることが1番大切だということ。相手を信頼できなくなった時、別れたくないと執着している時、自分の顔を見たことがあるだろうか。復縁サイトを読み漁り徹夜明けの私の顔はとんでもなく醜い顔をしていた。私は昔はもっと笑っていた。笑顔がチャームポイントだと思っていた。明るい自分が好きだった。戻りたいと思ったし、もっと自分を幸せにしてあげたいと思った。

この気持ちに気付くことができたから、別れを受け入れることができた。もう夜な夜な思い出して泣くことはない。自分が好きな自分でいるってとても難しい。相手から愛されていれば、自分が好きな自分でいられるかといえば、そうではないと思う。嫌いな自分に気が付いた時、好きな自分を見つけられるのだと思う。

得たものも失ったものも、どちらも確実に私の幸せに必要なものだった

失ったものは、他人を愛する心。どんなに自分が好きでいても相手が自分を好きになってくれないことは、ある。5年半偽りの愛、好きだと嘘を言われていた、その事実は、私の心から大切なものを奪った気がする。しばらくは、誰のことも愛せない。好きでない証拠に、彼は未だに私と普通にLINEで連絡をとってくれる。他愛もない会話をする。好きだった彼女であれば、そんな思わせぶりなことをして、期待は持たせない。私が夜な夜な泣くことは絶対に分かっているはずだ。

得たものも失ったものも、どちらも確実に私の幸せに必要なものであった。ただ、失ったものはきっとこれからの日々の中で取り戻すことができると信じている。それは決して彼ではなく、新しい大切な人として私の前に現れることを祈って、明日からの仕事を、毎日を頑張ろうと思う。