私はシックなものやシンプルなものを選ぶことが多い。それが似合うと言われるからだ。
本当はもっと可愛らしいものや、パステルカラーのものが好きだ。ピンク色のものとかを身に付けたい。ふわふわもこもこしたものも好きだ。
別に、それを身につけてはいけないことなんかない。買ってこればいいだけだ。誰にも悪くは言われない。

でもやはり、大人っぽいものやボーイッシュなものを選んだ方が周りからは似合うと言われる。ふわふわもこもこの時は、うーんって顔をされる。やっぱり私には似合わないんだ。
だからピンク色のものは小物にとどめている。

本当に信用できる人のほめ言葉は真に受けたほうが良い

落ち込んだことはあったが、そのことを嘆いたことはない。
ふわふわもこもこが似合うかわいい友人から、「かっこいいものが似合って羨ましい」と言われたからだろう。お世辞でも嬉しいものだ。
人間向き不向きはあるし、それに私のことをよく知ってくれている人たちだからこそ、評価ができるのだと思う。
王道じゃなくても褒められるのは、その分自分がその場所で認めてもらえていることのような気がする。

周りの評価で選ぶようになってから、自己肯定感が上がった。だからなんでも周りのいうことに左右されろってことじゃない。いじわるを言う人だっている。
本当に信用できる人のほめ言葉を真に受けろということだ。
そしてはたから見た自分をよく見ろということだ。
そうすると、案外自分は嫌われているわけでも、疎ましがられているわけでもないとか、
自分のここがいや、そこを直せたら、なんてことは思い込みなことがほとんどだということにも気づけるだろう。

「好きなものを好きなように」も大事だけれど、「似合うものを選ぶ」のもいいのかもしれない。

年齢を自覚した上で、似合うものを選ばなければ

そんな私は、最近また服が落ち着いてきた。
年のせいかな、なんて思う。「老けてきたのかも」とか今から言ったら怒られるのかもしれないけれど、遠慮のないおじさんたちからは「もう若くないな。しっかりしろよ」なんて笑われる。「いいおじさんたちだな。なかなかそんなことを言ってくれる人はいないから、(そういう人は)大事にしろよ」なんて彼氏にも言われる。

ちょっとむくれてみせるけど、たしかに素敵に歳を重ねる憧れの女性は、年相応でかつ流行に流されない服装をしている。だからかっこいいんだといつも思う。
私も自覚した上で、似合うものを選ばなければ。もちろん心のジェンダーに合わないものを無理して身につけることはないと思うけれど。