小さい時、自分の髪が嫌だった。

何が嫌だったのかというと、部分的にくるくるした天然パーマだ。全体的にかかっていれば、それこそ海外の子供ように可愛らしいのだけど、部分的となれば話は別。

小学校高学年になった時ストレートパーマに出会い、皆から褒められた

しとしと雨が降っている日は最悪で、前髪はうねり、毛先は片方に流れる。その髪のアンバランスさが自分をブサイクにみせている気がして、嫌だった。雨の日は決まって気分が憂鬱になり、鏡とにらめっこしながら必死にドライヤーで髪をセットした。

なんでこんなに可愛くないんだろう。なんでこんなに上手くいかないんだー。学校に行くまでの間に、セットの努力も虚しく、あっちこっちに髪はうねっていたけど。

そんな私に、転機がやってきた。小学校高学年になった時、ストレートパーマに出会ったのだ。当時は今と違い、液剤の臭いはキツく、施術時間は3時間と長かったけど、それでも終わって鏡を見た時のあの感動は忘れられない。あんなにモサモサと広がっていた髪が、こんなにもサラッと真っ直ぐになっているなんて! あのボリュームはどこへ行ったんだ……と。

美容院に行った後、真っ先にお母さんに「見てみて!」と報告した。もちろん、家族皆、可愛いと褒めてくれた。

その後、学校行事の一つであるお祭りに参加する時も、小雨の中だったが気分はルンルン。もちろん、ここでも友達から可愛いとお褒めの言葉を受け取った。大好評だったのである。

雨が降っていても全然大丈夫。毛先ははねないし、前髪も変にくるんとならない。本当に信じられない気持ちだった。

大人になるにつれて、ストレート以外にもパーマにも興味が出てきた

それからの私は、定期的にストレートパーマをかけるようになる。今ではあのくるくるの髪の面影を無くし、パーマをかけなくても長さがあれば、ある程度落ち着くことを知った。それでもストレートをかける頻度は、大体3ヶ月に1度だ。ストレートパーマがとれかかった時と、梅雨になる前にかけること。

しかし、大人になるにつれて、ストレート以外にも興味が出てきた。ウェーブパーマ、ツイストパーマ……あれあれ、自分が嫌がっていたパーマが気になり出している。どういうことだろう?

自分の中で、当時はくるくる髪以外を知らなかったこと。髪が真っ直ぐの子に憧れを持っていたこと。サラサラ髪になびく子は、皆可愛く見えたんだ。それは恐らく、周りの男の子たちも一緒。女の子らしさをサラサラ髪に見出しているのだろうか。

私は、当初は自分がこうなりたいという欲求のために髪をストレートにしたが、今はどうだろう。
昔は皆に好かれたくて、やっていた部分があった。皆から「似合うね!」と言われると嬉しい気持ちになった。今は……小さい時からやってますから、という惰性があるかもしれない。

私は少しずつ「自分のこと」を好きになるために、努力しているのかな

結局のところ、“自分のことが好きになれる自分になる”ためにストレートにしているんだろう。自分が良いなと思ったこと。あれ可愛いなと感じたこと。こうなりたいなという願望や理想。自分に似合うかどうかの挑戦と探究心。全部含めて、自分のことが好きになれるように、自分で努力しているのかなぁ。

まだまだ自分にはあれが足りない、これが足りないというところばかりだけれど、それでも少しずつ、自分のことが好きになれるように頑張るのも、悪くはないのかもしれない。

明日も自分のことが好きでいられるように、鏡に映る自分が可愛くなるように。トリートメントを少しパサついた髪に入念に馴染ませて、今日も眠りについていく。