皆さんはウルトラショットという素晴らしい文化をご存知だろうか?
知らない方のために説明すると、憧れのウルトラヒーローと一緒に写真を撮れるという夢のような文化である。
私が初めてウルトラヒーローと写真を撮ったとき、それはもう大興奮でときめきが止まらなかった。大好きなウルトラヒーローとツーショットが撮れるなんて!と、大喜びだった。

ウルトラマン推しとしてちょっとでも可愛く見せたいから、研究開始

しかし、出来上がった写真を見て愕然とした。そこに写っていたのは、切長な目がかっこよく、股下がスカイツリーぐらい長いスタイル抜群のウルトラマンタイガくんと、垢抜けない、ブス、ちんちくりんの典型的なオタク女の私だった。
これではいけない。いくらウルトラマン達が地球人の容姿なんて、少しも興味ないとしても、私自身のプライドが許さない。ファンは推しの鏡などと言われることもあるように、ウルトラマンのファンは芋ブスであってはならないのだ。やはり好きな人(?)と並ぶ時は、ちょっとでも可愛く見せたい!垢抜けなくては……!
その日から私の見せ方研究が始まった。
まずは自分を知ることが大切というわけで、自分の証明写真にアプリで黄金比マスクを被せてみた。黄金比マスクに近づけるようにメイクすると美しくなれると、ネットに書いてあったからだ。
何か悩むとすぐネットに頼ってしまう。これは私の癖だ。
ちなみに黄金比とは、人間が無意識に美しいと感じてしまう比率で、クレジットカードやGoogleのロゴなんかに使われているそうだ。ネットに書いてあった。
そして、黄金比マスクはその黄金比を顔に応用し、人間がもっとも美しく感じる顔の比率を再現したマスクである。芸能人はだいたいこのマスクを被せるとピタッとハマるようだ。うらやましい。
というわけで、自分の顔にマスクを被せた。私は絶望した。小鼻の幅が広すぎるし、目は小さいし、何より顎が長かったり、輪郭が全くハマらない。顔デカ面長ブスの自覚はあったが、このように現実を突きつけられると悲しくなってしまう。

メイクでは限界のある輪郭を整えるため、大好きな髪型も変えた

しかし、悲しんではいられない。黄金比マスクに少しでも合うようにメイクを研究することにした。
意外と目はどうにでもなる。二重テープと二重のり、まつ毛は上はエクステを付け、下まつげは少しだけ、まぶたからずらして、つけまつ毛を付ける。アイシャドウをグラデーションするなど、デカ目メイクはたくさん情報がネットに落ちている。ありがとうインターネットとデカ目メイクの先人の皆様。
団子鼻はシェーディングを小鼻の横に入れた。気休めにしかならない気がしないでもないが、まあ何もしないよりはいいのだ。
問題は輪郭である。シェーディングなど、メイクをしたところで限界がある。そこでヘアスタイルを変えることにした。私はオタクなので、重たいパッツン前髪にストレートなロングヘアが大好きだ。人生のほとんどをそのヘアスタイルで生きてきた。
しかし、どうやら私の顔には似合わないらしい。顔タイプ診断というものをネットで試したところ、とにかく軽くすることが大切!外ハネボブ、シースルーバングがおすすめ!と書かれていた。髪質は私の少ない自信を持てる部分だったので少しだけ、髪を切ることを躊躇した。
だが、切った。そしたら、やたら褒められた。美容師にも、会社の人や、友人にも。
やっぱり似合うって大切なんだなーと実感した。顔はもうこれ以上は整形しないとどうにもならないので、諦めた。お金ないし、腫れや赤みが引くまでの時間も取れないためだ。誰か金と時間をくれ。

推しTシャツを購入する以外、ファッションから遠かった私が洋服購入

次は服装だ。
ウルトラヒーローたちは自分のTシャツを着ていくと反応してくれる。やっぱり推しに反応を貰えると嬉しい。しかし、私がウルトラマンのTシャツ着てるとすごくオタクなんだよな……。垢抜けるため、キャラクターTシャツは着ないことにした。でもそれだと、あのTシャツを見て喜んでくれる推しが見られない……。
悩んだ末に、リアクションは痛バッグと呼ばれるキャラクターのグッズで装飾したバッグや変身おもちゃなどを見せて喜んでもらうことにした。ウルトラマンは優しいので、成人女性が変身グッズを持っていても、引かないのだ。
またネットでの自己診断になってしまうが、私は骨格ストレートというやつらしい。引きこもりのオタクなのに何故か、スポーツしてそうとよく言われるのはこれが原因のようだ。
骨格ストレートは体に厚みがあるため、タイトでシンプル、ハリのある素材を使った洋服が似合うらしい。そんな服どこに売ってるんだ。私はプレミアムバンダイという通販サイトでキャラクターTシャツを通販する以外、もっぱら、しまむらしか着ないので悩んでしまった。
しかし、ネットが私を助けてくれた。Twitterで骨格ストレートと検索すると高い確率でユニクロの服が、おすすめされている。ユニクロは近所のイオンにあるし、私でも入りやすそう!ということで、ユニクロでTwitterおすすめのワンピースを購入した。

ウルトラマンタイガの隣に立っても、お似合いだと言われる日を夢見て

こうして、重めの黒髪ストレートロング、キャラクターTシャツ、ジーパン女から、外ハネショートボブ、メイクもそれなりに研究した、ユニクロワンピース女になり、ウルトラショットに臨んだ。
やっぱり、ウルトラマンタイガくんは優しく、かっこいいので、痛バッグや変身アイテムに「あー!俺のグッズだ!変身アイテムお揃いだ!」と反応をくれた。
実際には、キャラクターグリーティング に出てくるウルトラヒーローは喋らない。
しかし、私にはそう言っているように見えた。心が通じ合ってるので。
そんなことより、肝心の写真写りの方はというと、う~ん。前回よりはマシになったかなー。という出来だった。オタク丸出しだった頃よりは、垢抜けたように感じる。しかし、より一層の研究が必要なようだ。
いつか美しく神秘的な光の巨人、ウルトラマンタイガの隣に立っても、霞まない、お似合いだと言われるその日を夢見て、私の見せ方研究はまだまだ続くのである。