きっとあなたの周りにも、「マコちゃん」がいると思う。
「マコちゃん」への思いは、人それぞれだと思うが。
私はただ「マコちゃん」を変えたい、という傲慢な思いを持って、このエッセイを綴ろう。
マコちゃんは私の友人だった。
そして、男にとってはいいカモであった。
自信がなく、目立ちたがり屋で、寂しがり屋で、愛はお金のマコちゃん
マコちゃんは、自分に自信が無い。
もう充分可愛いのに、充分綺麗なのに、なんてブスなんだと自分を責め続ける。
アタシ、太ってるよね?アタシ、ブスだよね?
「いやいや、そんなことないよ。」
誰かが否定してくれるのを待っていた。
マコちゃんは、目立ちたがり屋だ。
常に自分が1番でないと嫌。話の中心が自分でないと嫌。他の誰かの話題になるとスマホをいじり出す。SNSには似たような「価値観」を持つトモダチがたくさんいるようで、いつしかそちらにばかり目を向けるようになった。授業中も、みんなでランチをしている時も。
マコちゃんは、寂しがり屋でもある。
私たちの「そんなことないよ~」では足りないのかもしれない。SNSの「いいね!」でも足りないのかもしれない。そのうち、自分を褒めてくれる男に入れ込むようになった。付き合っているわけではなく、ただそれだけの関係。その男性には、本命の彼女がいるようだが。
マコちゃん曰く、愛はお金である。
以前マコちゃんから、お世話になっている男性にプレゼントを贈りたい、と相談を受けたことがある。ちょっとしたものがいいんじゃない?と言ったが、マコちゃんはAmazonを開きながら、
「Ray-Banのサングラス欲しいんだって、2万円のやつ、これ、これ贈ろうと思って」
どうかな?と笑った。彼氏でもないのになんでそんな、貢がせてるだけじゃん!と言う私の言葉は届かなかったようだ。時すでに遅し、注文完了のお知らせである。
奇行に疲れ果てた友人たちは彼女の元を去り、今やひとりぼっちに
そんなことを幾度か繰り返したマコちゃんは、今やひとりぼっちだ。
マコちゃんの奇行に疲れ果てた友人たちは、彼女の元を去った。やめた方がいい、と止めに入った者たちも、私を含め全員縁を切られてしまった。私は最後まで残った方だったが。
SNSのアカウントも、トラブルがある度に消して作り直してを繰り返している(お察しの通り、マコちゃんはトラブルメーカーでもあった)。今や、長い付き合いの友達と呼べる人はいないだろう。出会った時には既に、小中高で友達はいない、と言っていたから。
風の噂で、私が結婚したことを酷く悪く言っているというのを聞いた。結婚くらいで調子乗って、アタシも超ステキな彼と結婚秒読みなんですけど!と言い続けているらしいが、真相は定かではない。悪口の真相も然ることながら、結婚秒読みの真相も。
10年前、私に放った言葉を覚えているだろうか?その返事をここで
マコちゃん。10年前、まだ私を親友と呼んでいた時に、放った言葉を覚えているだろうか?
「中村ちゃんが男だったら良かったのに、中村ちゃん優しいし、気遣ってくれるし、アタシのことずっと好きでいてくれそう。」
マコちゃん、あなたは親友を性転換する妄想をしてでも、男に縋り付きたいのか。
はっきりと言わせてもらうが、マコちゃんはいいカモだ。好きであることを匂わせれば、ちょっと優しくすれば、自動で欲しいものを買ってきてくれる。悪い男からすれば便利なことこの上ない。
マコちゃん、私たちの言葉を聞いて欲しい。自分に自信を持て!マコちゃんを餌にするような悪い男たちではなく、一緒に買い物に行ったり映画を観たり、みんなでお泊まり会をして夜通しゲームをして遊んだ私たちを、信じて欲しい!
マコちゃん、全国の「マコちゃん達」。あなたが傷つく姿をこれ以上見たくない。
私たちは「マコちゃん」を絶滅させたい。
それでも尚、マコちゃんが私のことを嫌うのなら上等だ。10年前の告白の返事をここでする。
「Ray-Banのサングラスが欲しい。3万円くらいするやつ。それを買ってきてくれたら、考えてやらんことも無い。」