私はずっと、周りの人からの目を気にして生きている。
誰かと同じは嫌だけど、指をさして笑われるのも嫌だった。そんな私は自分を演じる術を手に入れた。

キャラを演じ分けた学生時代。自分の見せ方を知るキッカケになった

小学生の時は強くカッコいい私を演じていた。しかしそのキャラによって、人を傷つけてしまっていたことに気がついた。そしたらそのキャラを演じられなくなった。

そして中学生になって、今度は一人でいられる、一人でいいんだ、という孤独キャラになった。休み時間も一人、席で本を読んでいた。体育祭や文化祭は本当に嫌いだった。
夜一人で泣いている時もあった。本当は何がしたいのかわからなかったし、今思えばきっと一人でいたくなかったのだと思う。

そんなキャラを演じてたら、遊びに誘ってくれる友達も少なくなって、本当に一人になりかけた。それでもなんだか同級生のノリについていくことができず、孤独キャラを演じ続け、私は一人でも大丈夫なのだと言い聞かせた。そして闇の3年間を生き抜き、卒業した。
高校生になって、孤独キャラは捨てた。最初はキャラをさぐりつつ、少しクールで少し面白いキャラを演じる事にした。周りのみんなは少しどころか結構面白くて、楽しい人達だった。
そしたら今度は、この人たちといると楽しいと思える友達に出会えた。親友もできた。闇の3年間で知った「ただ威張っているだけの強い人と、弱さを理解した強い人は全然違う」という事を頭に入れて、キャラを演じていけるようになったのが大きかったと思う。
高校生活はわりと楽しかった。

傷つき傷つけた学生時代から、キャラを演じ分ける術を手に入れた私。

今の私は、キャラを使い分けている。
小中高とキャラを変えて学んできたことを生かして、友達といる時、家にいる時、バイトをしている時、一人でいる時、それぞれでキャラを演じ分けて、私を演出している。
友達といる時は、「弱さを知っている強いカッコいい人」を演じる。頼れる、カッコいい、一緒にいたいと思われるような人を演じる。

家にいる時は、「悩みの無さそうな、いつも笑っている人」を演じる。なぜだか家族の前では泣いてはいけない気がして、いつも楽しいことをして笑っている。
バイトをしている時は、「しっかりしている、仕事ができる人」を演じる。本当はそこまで仕事はできないが、褒められるのは嬉しいので頑張っている。

一人でいる時は、「孤独」を演じる。一人ベットの上で、暗闇を見つめて過ごしている。日中のキャラを全て無くすかのように、孤独を演じる。

服を選ぶのと同じように、キャラを演じ分ける。私自身を守るため。

このキャラを使い分け、今は楽しく過ごせている。ずっと一緒にいたいと思える友達と一緒に、楽しい日々を過ごせている。
でもなぜか私は自分が何者なのか、どうしていきたいのかよく分からない。キャラを作って演じ分けていくうちに、どこで見せている自分が本当なのか、どの自分でいるのが正解なのかわからなくなってきた。

将来が不安だし、漠然とそのうち私の周りから誰もいなくなってしまう気がしている。こんなに嫌われないように頑張っているのに、それなのに誰もいなくなってしまう気がしている。

嫌われるのが怖いから私はキャラを演じ、見せ方を工夫して生きている。きっとこれからもずっと同じことを繰り返していく。どんなに孤独で寂しくて、本当の自分がわからなくなってしまっても、嘘をつき通しそれが真実に変わるまでずっと、私は演じ続ける。

私は私を守るため、私を演じ続ける。