お父さんへ。
どうしても伝えたい想いがあって、でも直接連絡できないから、この場を借りて伝えさせてください。

今の私がいるのは、お父さんが楽しむ姿を見せてくれたおかげ

私が今、大切な家族・友人がいることも、私から切り離せない大切なものが音楽で、学生時代は厳しい言葉も言われたけど夢に向かってがむしゃらに打ち込めたのも、お仕事を今させてもらえることも全部、お父さんが大好きで楽しむ姿を見せてくれたり、私がやりたいと言えばきっかけをくれて支えてくれて、続ける力をくれたからです。

破天荒なところも含めて、私にとっては大切で大好きなお父さん。
本当にギターも歌も上手で、車でいろんなところに連れていってくれて、いろんな経験させてくれて、仕事場に夏休みに連れていってくれたときは、仕事する姿がかっこよくて自慢のお父さん!と友達に話すこともありました。

男女関係では心配かけたりしたけど、旦那が結婚前に挨拶にきてくれたとき、実家の空いてる部屋使っていいよって言ってくれて、「お前の選んだ人、大切にしなよ。大切にしてもらえよ」と反対することもなくいつも温かく見守ってくれて、それでも同居は難しいことも多くて、最後は自分の新しい家族を守るためと出産予定日1ヶ月前に同居解消して飛び出したけど、お父さんがいつも私たちのこと心配してくれてたこと知ってるよ。

戻らない時間。距離を置いて気付いたのはお父さんに対する勘違い

何度か車で新しい家まで送ってくれたり、娘が入院したときはお母さんに「これでご飯たべたりして」と渡してくれたお金。すぐそこまでお見舞いにきてくれて嬉しかった。
ずっとお父さんのことは怖いとかマイナスな感情が多かったけど、離れて距離を置いて時間が経ってから勘違いに気づきました。

お父さん自身が家族を守るために変わっていたこと。いっぱい我慢して考えなくちゃいけなくなって、自分のお母さんとも喧嘩になって……私たちが出ていってから精神的におかしくなってしまったこと。私たちが出ていくと決めたあの言い合いも、そうせざるをえなかったんだろうなってこと。

もし違ってたらごめんね。でもそのことを考えていたら「ごめんなさい」の気持ちがわいてきて、涙が止まらなくなった。

もう戻らない時間、でももうおじいちゃんのことのような後悔はしたくなくて。約3年半ぶりに電話越しできいた声は、懐かしくて仕事中だけど思わず泣きそうになりました。電話を持つ手は緊張だけじゃない震えがとまらなかった。

この仕事を辞めずに続けていてよかったと思った。あの時手元に戻してくれた楽器は、大切な思い出が詰まった私の相棒です。

あれから1度も会えていないけど、お父さんに伝えたい想いがある

それからは1度も電話も会えてもないけれど、困ったとき間接的ではあるけど助けてくれて本当にありがとう。お父さんの初孫である娘は、音楽が好きな元気な子に育ってます。

まだ1回も話したり、だっこもしてないよね。でもママのじぃじの話はたまにしたりしています。まだ時間がかかるかもしれないけど、会えたときには色々話して抱っこもしてあげてね。

今までの時間を埋めるのは難しいかもしれないけど、娘の中に一つでも多くお父さんとの思い出も作ってほしいな、残っていってほしいなと願っています。
私は今の職場をこれからも続けます。だからふらっと遊びにきてね。「お父さん、いつも本当にありがとう」