峯岸みなみ×ヒコロヒー「嫌なリプにはちゃんと傷ついて悲しんでいいんだよって後輩に伝えたい」
AKB48最後の一期生である峯岸みなみさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「やっぱり今日も褒められたい」(TOKYOFM木曜21時スタート)。毎週登場するパートナーとともに、お互いを褒めあいながら、それぞれの価値観や悩みをシェアしていきます。かがみよかがみ連載コラム「できれば明日も褒められたい」とコラボし、ラジオの様子をぎゅぎゅっと凝縮してお届けします。※内容は放送をもとに再構成しています。
AKB48最後の一期生である峯岸みなみさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「やっぱり今日も褒められたい」(TOKYOFM木曜21時スタート)。毎週登場するパートナーとともに、お互いを褒めあいながら、それぞれの価値観や悩みをシェアしていきます。かがみよかがみ連載コラム「できれば明日も褒められたい」とコラボし、ラジオの様子をぎゅぎゅっと凝縮してお届けします。※内容は放送をもとに再構成しています。
ヒコロヒーさん
「ヒッコロコント」と称する1人コントで知られる、アウトローでクールなピン芸人。大喜利の魅力も抜群。テレビやライブ、Youtubeなどで活躍中!
峯岸みなみ(以下峯岸):私はヒコロヒーさんのことを知ったのはコラムがきっかけでした。
峯岸:女芸人さんということで、男社会のなかで、嫌な思いをしたことたくさんとあると思うんですけど、特に苦労したことはありますか?
ヒコロヒー:今でこそセクハラって名前が付いているけど、芸人だと、基本的に何を言われても笑いで返せよっていうのが大前提にあることが多かった。
例えば、出合い頭に男芸人の先輩に「おっぱいちっちゃいな」「最近いつセックスしたん?」と聞かれたとして、それに対してまじめに健気に返す女性芸人もいるんですね。「Cカップです」「セックスしたのはいついつです」って。すると「おもんないわー」「聞きたないわー」と言われる、みたいなことがずっとあった。
私はセクハラめいた態度に「それおもろいないですよ」と結構突っ張ってきたタイプ。でも、これは芸人だけじゃなくて、一般社会でもそうだと思うのですが、ぴりっとした態度をとると、その横で「私は全然セクハラだと思わないです」「私は大丈夫ですよ」と言う子がいてる。そして、そういう子の方がかわいがられる。
そういうのを見てるのは、しんどくはないけど、自分はできひんしな~みたいな気持ちはありましたね。
峯岸:そういうことを言ってる子は言ってる子で、傷ついてるかもしれないですよね。本心ではなく、あくまで処世術としてのかわし方だから……。
ヒコロヒー:そういう愛嬌を身につけている……身につけさせられているというか。本当は別にそんなことしなくていいのに。考え方は色々あると思うけど、これはあかんでっていう公約数が、ぎゅっと明確になればいいなって勝手に思います。
峯岸:考えさせられます。以前はスナックでアルバイトもされていたと聞きました。そういう場所だと、お酒もはいって職場よりもさらに「ここで働いているってことは、ここまで言って良いんだろう」と羽目を外してくる人も多そう。
ヒコロヒー:あるよね。「足太いな」とか「背中でけぇな」とかルックス的なことも言われるし。比較もされるし。グループとかにいるとより、そうなんじゃない?
峯岸:わー!!めちゃめちゃある!!!!そのときは、気にしてなかったけど、今思えば悲しんでよかったんだなって思う。
ヒコロヒー:アイドルを見ていて、大変な仕事をしてるな~って思ってる人も多いと思いますよ。ツイッターのリプライ見ててもひどいし。
峯岸:あのリプライが異常なことって気づいたのは最近なんです。こういう仕事をしていたら仕方ないことだと思ってました。変な画像や性的なリプライが送られる、とか。
ヒコロヒー:え?10代の子を相手にそんなのを送るの?
峯岸:はい。中学生からそんな感じだからアイドルをやるってこういうことなんだと思ってました。性的なリプライがきても、実際私から奪われるものじゃない、減るもんじゃない。傷つく方が繊細すぎておかしいんだって思う環境で育ってきた。でも今、あれはおかしかったんだって気づきました。
ヒコロヒー:日本の女性アイドルとフェミニズム的な考えって相反することもある。どういう風に発信すればいいのかっていうのもすごく微妙なところだと思うんですけど、それをみいちゃんがこうやってラジオで発信しているということが、すごく意味のあることだよね。
峯岸:私が後輩に言いたいことは、ちゃんと悲しんで、傷ついて、嫌なことは嫌だって言っていいんだよっていうことかな。
ヒコロヒー:それは心強い一言だと思うよ。深刻に考える方が傷ついちゃうから、気にしないようにするっていうのも、お仕事するうえで大事なことかもしれない。だけど、多感な時期にそれをやって、それが当然だと押しつける風潮、それは異常なんだよって思いますね。
峯岸:私がこう思ったのもヒコロヒーさんのコラムの影響です。最初は「あー最近、話題になる話だな、私はまだわからないな」って思って読みました。改めてきょう読み直したらすっごく心に入ってきた。こういう感覚を、色んな女性に届いてほしいなと思います。
ヒコロヒー:ありがとう。本とか出たらみいちゃんに宣伝隊長やってもらお!
峯岸:ぜひ、帯書かせてください!
最高に可憐で綺麗!他人の弱さにも寄り添える優しい人
◇放送時間:木曜日21:00-21:30 ◇出演者:峯岸みなみ(AKB48) AKB48の1期生で、朝日新聞の女性向けWEBコラムサイト「かがみよかがみ」内でコラム連載を持つ峯岸みなみの新番組がスタート!アイドルとして15年の活動を経て、30歳という年齢が見えてきた一人の女性としてリスナーと本音で向き合う30分の番組です。一日の終わりくらいちょっと褒められたい。そんな思いを共有しませんか? 番組HPはこちら
AKB48の最後の一期生で、アイドル歴14年の峯岸みなみさん。新型コロナの影響で卒業が延期となり、アイドル“留年”中のいま「かがみよかがみ」でコラムニストデビュー!「他人に褒められることをモチベーションに生きてきた」というアイドル時代を振り返りながら “宿題”に向き合います。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。