お父さん、私はお父さんみたいな人と結婚したいと思っています。
まだ紹介していないけれど、今の彼はお父さんに似ている部分がとても多いです。私はお父さんみたいなこの人と幸せな結婚生活を送りたいです。
そして、反抗期中にひどいことを言ったこと、反省しています。ごめんなさい。

反抗期真っ只中だった私。私の言葉で父が泣いていたことを知った

私は中高生の時、反抗期真っ只中だった。毎日親と喧嘩していた気がする。
発端は大したことないけれど、母に注意されること自体が鬱陶しくて、無視したり、言い返したりしていた。すると、それを横目で見ていた父がその態度はなんだ、とさらに怒る。それが、もう本当にうざくてうざくて仕方なかった。

自分が悪い事は百も承知だ。でも反抗期の私は素直になることなんてできなくて、何を言われてもずっと反抗した態度を取っていた。

そんな反抗期も受験期には収まり、両親に支えてもらいながら勉学に励んで、無事に志望校に合格した。そして大学入学と同時にひとり暮らしになり、家をでた。

東京での生活はとても楽しかった。そして両親のありがたみも知った。長期休みに実家に帰るといつも温かく出迎えてくれる。5年前、学生時代の夏休みに帰省していた私に母がぽろっと話し始めた。

「ねえ。昔、お父さんに『同じ空気なんか吸いたくねえ、一緒に生活もしたくない』って言ったの覚えてる?あの時のお父さん、あなたの前では怒っていたけど、部屋に戻ってから泣いてたんだよ。」

衝撃だった。あの父が泣くなんて。その話をしてる母は少し涙ぐんでいて、それを見た私も涙が出てきた。

恐らく喧嘩の途中で腹が立ってそう言い返したのだろう。なんにも覚えてないけれど、今までの喧嘩の様子を思い返せば容易に想像ができる。ひどいことをした、と心底後悔した。
でも、まだまだ未熟で親に素直になれない私は母に涙がばれないように笑ってごまかした。

「ええ!そんなこと言ったの!お父さんかわいそ~(笑)」と返した気がする。驚きと焦りでその後の会話は全く覚えていない。

愛する人ができて分かった母の涙の。どれだけ2人を傷つけたことか

冒頭の通り、私には愛している彼がいて、その人と結婚も考えている。将来、その人との間に子どもができて、その子がもし、彼にそんなことを言ったら私はどうするだろうか。

5年前にその話を聞いた時、私には愛する人がいなかったから、父に申し訳ないことをしたと感じただけだった。でも今は、愛する人に重ねて考えてしまう。母が涙ぐんでいた理由がようやくしっかりと分かった気がする。

いくら喧嘩をしても愛する自分の子どもに心無い言葉をぶつけられたこと、自分が愛している人が自分の子どもに心無い言葉をぶつけられていること。どれだけ2人を傷つけたことか。父にも母にも本当に申し訳ないことをした。

お父さんみたいな結婚相手、やっと見つけました。父に伝えたい

今、私と父はとても仲がいい。2人でご飯だって食べに行くし、洋服だって買いに行く。そして何より、父みたいな人と結婚したい、本気でそう思っている。

何があっても最後は絶対味方になってくれる。母のこと、家族のことを第一に考えている。そして私たちをいつも笑顔にさせてくれる私の父みたいな人と。

でもそんなこと、恥ずかしくて伝えられない。反抗期のこの言葉にだって謝ることができていない。10年も前のことだ。このことに関してどう思っているかはわからない。
だけど母からその言葉を聞いて5年。私の心には今も突っかかったままだ。

だから私は結婚する時に父に伝えようと思っている。

あの時はひどいことを言って本当にごめんなさい。お母さんに言われてから、ずっと心に引っかかったままでした。今まで素直に謝れなくて、ごめん。

そして私はお父さんみたいな結婚相手、やっと見つけました。反抗期はあったけれど、いつも笑顔で溢れていたうちの家族。そんな家庭をこの人と一緒に作っていきます、と。