働いていたアルバイト先に就職。正社員になった途端、扱いが変わった

就活に失敗し、バイト先であった飲食店にそのまま就職した。
学生の時にも週5日ほど勤務していて、他のメンバーとも良好に働けていたと思う。私も就職してしたいことが思いつかず、長く働いていたこともあって、結果的に就活で決めなくて良かったのでは?なんて楽観的に思っていた。

ただ正社員になった途端、特定の女上司から嫌がらせとまでは行かない行為をされるようになった。
自分のいない飲み会で自分の悪口をかなりの頻度で言われる、自分には直接言わないのに報告書に自分ができていないこと、失敗を水増しして書かれる、周りの人に自分の印象が悪くなるようなことを吹き込む、他の上司と仲良く話していると不機嫌そうに話に割り込んでくるなど。

どれも女性が多い職場ならあり得ることと思う人も多いかもしれない。
ただ、今まで好意的に思っていた職場でそれをされたのが、周りの人が気づいていながら放置されたのが本当に苦痛だった。

さらに苦痛だったのが、その特定の上司と私の年齢が近かったことで、社長や少し離れた上司からは、その特定の上司と私がセットで扱われる、比較されることが多かったことだ。
就活で失敗してすぐ退職したらもう行く場所はないと思い込んでいたので、とにかくあともう少し、あともう少し頑張ろうと毎日言い聞かせて働いていた。

負けていないのに見限られた気分。でも、もう少し頑張ろうと思った

就職して1年が過ぎた頃、毎日暗い顔をして出社するのを見かねてか、上司が私に異動の話をした。
「〇〇さん異動で。もう〇〇さん、限界かな」と言われた。
限界だと自分でも思っていたが、改めて他の人に言われるとかなりの衝撃だった。
私は負けてないのに、頑張っていたのに、もしかして見限られたのかな、と思った、悲しかった。

ただ毎日上司からのドロドロした嫌がらせ未満に堪えるだけの毎日だったので、他に何をしたいかも思いつかず、そのまま異動した。
このまま転職したら、嫌な思い出だけ残ってしまう、やっぱりあいつはダメだったと言われるのではと思い、もう少しもう少し頑張ろうと続けてみた。

異動してからまた1年が過ぎた。
頑張ったからではないが、人員補充のため、自分の役職が上がった。あの嫌がらせ未満の行為をしてきた上司と同じ役職になった。
同じ役職になっても、特定の上司のことをわずかに理解は出来ても許せなかった。

嫌なことも含めて、予想外のことが起こるから、仕事は悪くないのかも

異動する前の職場の駅を通るたびに思い出してどす黒い気持ちになり、それを自覚するとさらに嫌な気分になる悪循環だった。
役職が上がったのだから頑張らねばと気負い過ぎたのか、とくにきっかけがなくても嫌な記憶が思い出してしまうことが多くなっていった。そんな日が続いていたある日、

「あの子はできたのに」
と、上司がふと言った一言がトドメだった。泣き出してしまった。
上司が驚いた顔で見ている、大丈夫ですとしか言えなかった。

その日は泣きながら仕事をした。
何に悲しいのか分からなかった。
なんでこんなにこの仕事をしないといけないのか。もう少し頑張ろうを続けて何の意味があるんだろう。

1週間経った。
アルバイトさんがそんなことがあったことは知らず、サプライズでネームプレート付きのホールケーキを買ってきてくれた。そういえば今日は私の誕生日だった。

嬉しかった。嫌な相手と比較しないで、思い出させないでと思っていたのに、勝手に思い出して繰り返し暗い気持ちを選んでいたのは自分だったんだなと思った。嫌なことも含めて、予想外のことが起こるから仕事は悪くないのかもなと思った。

未だに思い出すと入社1年目の記憶は嫌な気分にさせるけれど、それで自分の全てが塗り潰されないよう、また明日も頑張ろうと思う。