一度の裏切りはもう戻れない。私は彼から深く深く、このことを体の隅々まで刻まれた。

彼と付き合って5か月が経った時だった。
いきなり、彼から彼の元カノの写真が届いた。

いきなり届いた元カノの写真。「この人、誰?」彼に電話をかけた

最初は何がなんだか分からなかった。
だから、とりあえず彼女のことは知らないということにして、私は「この人、誰?」と少し緊張しながらメッセージを打った。

そこからメッセージは続いていった。だがメッセージを続けて私は気づいた。
このメッセージは彼じゃない。
そのことに気づいた時には電話をかけていた。

電話に出たのは、私が元カノだと思っていたはずの女の子だった。
5分くらい経った頃、彼が怒っている声が聞こえた。多分、彼女が勝手に彼のスマホで電話していることに気づいて焦って怒ったのだろう。

その後彼からは、状況説明のメッセージや電話がスマホが鳴り止まないほど届いた。
だが、その時には私は放心状態でぼーっとしながら片手にビールを持っていた。
彼の言葉は全て嘘に見えてきた。1時間後、彼は私に会いに来た。

私は、「もういい」の一点張り。泣き叫ぶ気力さえ無かった。
しかし、彼は泣きながら謝ってきた。彼女とは何もないと言いながら。周りからも、重すぎるメンヘラ女の子と有名だった彼女。考える気力もなく、「まぁ仕方ない、今回だけは」とその時は許してしまった。

会えなかった2か月間。彼は彼女と旅行に行き、半同棲をしていた

だが、ここから彼は私の恋愛観をどんどん変えていったのだ。

この事件から1か月後、私は海外で研修があり、彼と2か月間会えなくなった。
なんだか胸騒ぎがずっとしていた。やはり女の勘というものは当たるものだ。

その2か月の間に、彼は彼女と旅行に行き、半同棲をして過ごしていたのだ。
それは、彼女が彼との旅行の写真に私をタグ付けしてきたことから知った。恐るべき女だ。

研修から帰った後、彼に別れを告げようとした。
だが、彼は私に別れ話をされるのをすでに分かっているかのように、私に甘い言葉を囁き、全てのSNSのログイン方法を教え、元カノとはキッパリ別れたと話を先に始めた。

やられた。私は、懲りない都合の良い女だ。一度だけでなく二度も許してしまった。
自分がどんなに苦しむかも知らずに。

私に一生のおもりをつけた彼。私は今日も彼を疑っている

そこから、私は、まともな恋愛ができなくなった。
彼が今何をしているのか、誰と連絡をとっているのか、どこにいるのかも全て知りたくなった。いわゆる重度のメンヘラ女子だ。

今でも、彼との関係はダラダラ続いている。

もちろん、その後も彼は何度も私を苦しめている。きっと、彼は女の子を苦しめる病気かなんかを持っているんだと思う。そう思って過ごさなければ、おかしくなりそうだ。あの日から、私は一度も彼を信用し切ったことはない。
どこかで、今日も他の女の子と連絡をとっているのではないかと疑うようになった。

彼を疑いながら生きる毎日は、雨が今にも降りそうな空のように、どこか重くどんよりしている。
私だって、雲ひとつない晴天のような新しい恋愛を始めたい。

だが、彼につけられた傷は思ったより深く、新しい恋に発展しそうな人にであっても、疑いから始まってしまう。いっそこれなら、他の人を傷つけてしまいそうだから、今後も彼だけを疑って呪って生きていきたい。彼は、一度の裏切りで、私に一生のおもりをつけたのだ。

私は今、ただ彼と幸せな毎日を過ごしたいのか、彼に死ぬほど辛い思い出を植え付けたいのかは、わからない。
だが、彼の人生において、一生忘れられない女になり、彼を裏切りたいとは思っている。

私は、何度も裏切られても懲りない都合の良い女で、今日も彼を疑っている。