先日大学生の姪が、トイレに未使用ナプキンを忘れていった。
(ふ~ん、最近のは薄くて吸水力もよさげで、パッケージも洒落てるなぁ)
手に取り、しみじみ感心した私。ナプキンなんて自身に不要となり、使う身内もいないと縁遠くなるもの。モチロンCMはしょっちゅう流れてるし、店頭でも見かけるけど、実物を手にしたのは七、八年ぶりかしらん。ケッコー新鮮な再会だった。

で、しみじみついでに思いついたのだが、ナプキンを包むパッケージで、若い女性への啓蒙活動ができないか――というのも、私自身生理にまつわる後悔があるからだ。

年齢とともに生理の出血や痛みは重くなるばかりだった

現在五十一歳の私。一般的に閉経しているお年頃だが、実のところ“強制終了”。四十前半で子宮と卵巣を切除し、生理とおさらばした。

中学一年で始まった生理。当時の記憶は曖昧だが、体育の時間にニッカ―ス(うちの田舎ではブルマーをこう呼んだ)が重ねたナプキンでもこもこにふくらみ、友だちに笑われたことを覚えている。

尾籠な話で恐縮だが、年齢とともに出血量・生理痛とも「増」の一途。
主な原因は、子宮内膜症と子宮筋腫。まさに“出血大サービス状態”で、出るわ出るわ……。生理痛も相当ハードで、開始から三日ほどは鎮痛剤が手放せなかった。

白状すると、どれほど特大サイズナプキンでもカバーできぬほどの量(レバー状の塊)が突如溢れ出るようになり、三十代半ばから夜間は大人用紙パンツを履いた。(なので、将来これらの世話になることにはまったく抵抗がない。う~む、いいことなのか?)

おかげでなんとか漏れは防げても、生理前半の朝のトイレは凄まじい! 一晩フルに働いた紙パンツ(上に重ねた特大ナプキンもぐっしょり)はずっしりと重く、(そりゃこれだけ出れば貧血になるわ……)と、ミョ~に感心した。

重度の貧血で体調不良に…。三十代後半でついに手術を受けた

そう、体内から血が大量に出れば、トーゼン貧血になる。
だが愚かなことに私は、三十すぎまで自覚がなかった。職場の健康診断で「あなた、よくこの数値でフツーに生活できてますねえ」と医者に呆れられ、初めて自分が貧血だと知ったくらいだ。

鉄分薬を飲み始め、婦人科へ通い出したのもこの頃。筋腫を小さくするために薬や注射で何度生理を止めたことか。だが多少量が減っても、数か月後には再び“ダム決壊”の繰り返し。せっかく溜めた鉄分もすぐにおじゃんとなった。

ということで、一向に改善せぬし、お金もかかるし、体力的・精神的にもしんどい。それで三十七歳で手術を受け、筋腫七つを切除するも大して改善せず、結局子宮全摘まで数回腹にメスを入れた。

「もっと早く対処すればよかった」。そう思わないで済むように

こうして生理から解放され楽になれた私だが(貧血も改善された)、ひとつだけ悔いが残る。それは、「十~二十代の若いうちに婦人科へ行けばよかった」ということ。

現代の若い子たちはどうかは知らぬが、私の頃は婦人科へ行くのがかなり恥ずかしく、抵抗があった。というより、あくまで生理は個人の問題であり、婦人科へ相談する発想すらなかった。
いまも生理トラブルを抱える若い子は少なくないはず。子宮筋腫も内膜症も早いうちに対処すれば、後々厄介にならずに済むかも知れない――私のように。

なので、生理に関するアドバイスや、参考となるWEB情報(相談先)などをナプキンの個別パッケージにのせてみてはどうだろう。交換時必ず手に取るものだから、ちょっと目をひくデザインにすると、若い子も読んでくれないかな。子宮がんや頸がんといった深刻な病気の早期発見にもつながらないだろうか。

もしかしたらすでに実行中の製品も存在するのかも知れない。日本のナプキンの品質は高いときく。その上にプラスして、若い女性の啓蒙活動に一役かって欲しいなあと願っている。