突然だが、私は今までの人生で子供がほしいと思ったことがない。
そもそも結婚したいとすら思ったことがないが、一瞬「最期の時は誰かに見守られたいな」とか「家に帰っておかえりと言われたいな」くらいは考えたことがあった気がする。

でも、子供はない。自分の将来を描いたときに、子供が居たことはない。
歳を重ねたからか、仕事柄か、子供への苦手意識はなくなった。泣いていても生きてるなと思うし、大声をあげてても元気だな、くらい。明らかに対応してほしい様子が見えれば手を振ったりする。

しかし、大学卒業までは本当に苦手で、スーパーで走った子供が近寄ってきたら逃げるし、泣き声や騒ぎ声が聞こえれば音楽で誤魔化したり、フードを被って見えないようにした。
今では考えられないくらい、イヤフォンは必需品だった。あの甲高い声が耳障りだったのだ。

生理がなくなった私は婦人科を受診。ピルを毎日内服し始めた

だから、生理不順でもなんとも思っていなかった。とくに私は月経痛が強く、高校生になってから3ヶ月に1回しか生理がこなかったが、ラッキーだと思っていた。

大学生になってからはほぼ毎月きていたが、ストレスがかかると1月スキップなんてことは当たり前。社会人になってからも同じようなリズムであったが、メンタルが崩壊し始めたある時から、完全になくなった。

はじめは妊娠かと思い、人生で使う予定のなかった検査薬を使って安心したあと、それならどうしてこないのか婦人科へ。
最初はホルモン剤で起こす、また来ないので受診を3クール繰り返して、おじいちゃん先生に「もうダメだよ」と言われた。

「若いと思っているだろうど、子供をうむなら適齢期だ。今、正しいリズムにしておかないと、将来の自分が子供を望めなくなる」といわれ、低用量ピルを内服し始めた。そこから抗うことなく、毎日内服し、2ヶ月に1回受診している。

私は子供が欲しくないのに、なんでピルにお金をかけてるんだろう

でも、受診が終わる度、とくに内服薬を受け取り料金を支払うときに感じる。
私、子供要らないのに、なんでお金かけてるんだろう。
高額ではないが、払っていることに変わりはなく、なにか違うことに使える。

ここまで20数年ほしくない、相手もいない。今はわざと生理を止めておく、という方法もあるようだが、それは普段正しくきている人が止めるのであって、私のようなタイプは該当しないだろう。

生理があることで、痛みや食欲の増加、むくみ、気分の波に左右される。それは全て将来の自分のため、と片付けられてしまう。ピルにより、PMSは軽減しているが、少なからず症状はあるし、出血による不快感はある。子供を望まないのなら、このままピルを飲まなければ、不快感は消えるのに、と。

自分が将来子供を望んだら?未来まで見据えて生理と付き合ってるのか

でも、将来の自分が子供を望んだら?
不妊で治療するくらいなら諦めるだろう。気分屋の私のことだ、パートナーとうまくいかなければ、低い自己肯定感をさらにさげ、相手の望みを叶えられないダメ人間だから愛されないんだ、捨てられたんだとそれを隠れ蓑にして生きていくのだ。めんどくさい、嫌いな自分と出くわす確率50パーセント。

世の中の女性はこんな気持ちにならないのか。私の職場は女性が多く、医療現場であるために、生理の話題はわりとオープンだ。しかしみんな、痛みや不快感が嫌だと言っても、私のように止めようか、までは思っていなさそうである。子供を望まないかもしれなくても、毎月くるそれは当たり前のこと、という感じだ。

私は残り20年もしないうちに終わるが、若い世代はまだまだある。
みんな、未来まで見据えて生理と付き合ってるのか、聞いてみたい。