なんだかすごく憂鬱な気分になって、普段だったら気にならないような些細なことにイライラしてしまう。インスタグラムを見ると、楽しそうな友人の姿や将来のために頑張っている人の姿ばかりが目について、ため息が止まらない。
ついこの間まで同じ教室で同じような毎日を過ごしていたはずなのに、大学二年の今、このたった二年の間に、どこでこんなに差がついてしまったのだろう。
止まらない自己嫌悪と、下がり続ける自己肯定感。いつもなら目を瞑ってやり過ごせるはずのそれらが、どうしてこんなにも胸を締め付けるのか。
その理由は、すっかりわかり切っている。ああ、来週、絶対に絶対に生理がやって来る。
人生の大半を生理とともに過ごしている
一年のうち、正常な私でいることができる期間は一体どのくらいあるのだろう。
生理前の一週間、どことなく気怠い体と不安定な精神状態、吹き出るニキビ。
生理中の一週間、鈍く痛む下腹部を抑えたまま、訳も分からず溢れる涙をぬぐい、とめどない食欲に思わず身を任せては後悔しての繰り返し。
生理後二週間ほど、開放感とともに笑顔でいつもの私を過ごすことができたとしても、気づけばもうすぐ生理前?迫り来る心身の不調を思っては、また憂鬱な気分に逆戻り……こうして私の一ヶ月は終わりを迎えるのだ。
症状や周期に違いはあれど、多くの女性が似たり寄ったりな苦しみを抱えていると言っても過言ではないと思う。
初めてトイレで血を目にしたあの日から、いつか訪れる閉経の日まで、私たちは人生の大半を生理とともに過ごしている。
もちろん、嫌だ嫌だと思っていても、来なければ不安になるし、月に一度やって来てくれることにありがとうとも思う。けれど、やっぱり、それに伴う症状が心身に多大なストレスを与えていることもまた紛れもない事実なのである。
「生理が来るとテンション上がる」なんて。心の底から驚愕した
そうは言っても、否応無しにそれはやって来るわけで。規則正しく生理が来ることはすなわち私たちが健康なことの証でもある。
でもどうしたって気分が晴れない。どうしたものかと思いあぐねていたある日、私の友人がこう言い放ったのである。
「私、生理が来るとテンション上がるんだよね」と。
私はそれを聞いて、心の底から驚愕した。「なんで?!」と食い気味に尋ねたところ、彼女は幸せそうな笑みをたたえて、「だって彼氏が甘やかしてくれるんだもん」と言ってのけたのだ。その時受けた衝撃を、私には到底表現しきれない。
そうか、そうだよな、彼氏が(とりわけ生理に理解のある彼氏が)いる女の子にはそういう世界があるのか。ブランケットをそっとかけてあったかいココアを入れてくれる、隣にそっと寄り添って優しく話を聞いてくれる、そんな相手がいる女の子には……。
そうなるとますます虚しくなってくる。私が一人で膝を抱えお腹をさすり、耐え凌ぐあの時間は何なのか……。
生理の期間は、最大限自分を甘やかす!
けれど、そこでようやく思ったのである。
そうか、私を甘やかしてあげられるのは私しかいないんだ。
次の生理が近づく頃から、私はこの期間を最大限自分を甘やかす期間に決めた。
いつもなら我慢するコンビニのスイーツを買う。たまる課題には目を瞑り、好きな本と映画に浸る。友達にくだらない長電話に付き合ってもらう、などなど……。
罪悪感なんて一切排除して、将来のことなんか考えないで、SNSからも距離を置いて、とにかく今の自分を甘やかすことだけに全神経を注ぐのだ。
一瞬の気休めかもしれない。きっと夜になったらまた落ち込むし、下腹部の痛みが消えたわけでもない。でも、ただネガティブな気持ちに身をまかせるよりもずっと気持ちが楽になるはずだ。そうして生理を乗り切ったら、また自分を褒めてあげて。よくやった私!今月もよく乗り切った!
正直、今でも生理のことを思うと気が重い。
けれど、好きなだけ甘いものを食べて良いことにしよ、欲しかったコスメ買っちゃおうかな、そんなことを想像すると、ほんの少しだけ楽しみになってくる自分もいる。
病院で薬をもらうほどではないけれど毎回辛い思いをしている、この憂鬱な期間を少しでも軽くしたい、そんな人はぜひ思いっきり自分を甘やかしてみてほしい。
いつだって私たち、生きているだけで偉いんだって、そういうマインドでね。