モデル(プラスサイズ)をはじめて5か月が過ぎようとしている。
まだまだ売れっ子には程遠いけれど、ようやく私は「自分の人生を、自分色に彩りはじめた」そう実感する日々を送っている。
SNSを通して仕事のオファーが増えつつある今。Instagramの投稿を楽しみに見てくれるファン、今後の活躍を期待し応援してくれるファンはとても重要だと事務所からもレクチャーを受ける。
そんな訳で、私は一時期とにかく頑張った時期がある。そして、一度、歩みを止めた。これは、たった5か月の間に起きたこと。

ファンも増えてきた頃、悲しいメッセージもたくさん届くようになった

はじめは300人ぐらいしかいなかったファンも、今では4000人ほどにまで増えた。TwitterのようにRT機能がないInstagramで、こんなにもいろんな人に見てもらえることができて、私は運がめっちゃ良い。「いつも運が悪い」と思っていた自分がなんだか懐かしい。
「最近、活躍を知ってフォローしました!」
「いつも応援してるよ!」
「体型が似ているのでいつもファッション参考にしてます!」
嬉しいコメントが増え、SNS運用のコツも次第に掴んできた頃、私は悩み事で頭がいっぱいだった。

プラスサイズファッション(大きいサイズのファッション)、ボディポジティブ(多様性を称賛すること、体型、髪質、肌の色、体毛、ファッション、身体の不自由さなどを含む)を中心に投稿していると、「デブ」「ぽっちゃりじゃない」などのメッセージが、たくさん届くようになった。
毎日のように届く悲しいメッセージに追い打ちをかけて、「プラスサイズはNG」とカメラマンから立て続けに返信が届き、私は歩みを止めてしまった。
ぷつりと糸が切れて、少しの間、がんばれなくなった。

地道に築いた自信が、一瞬にして崩れてネガティブに染まっていく

ポジティブでいようとしても、元気が湧かない日が続いて、やっぱり私はなんにも出来ない、なんにも取り柄がないしとネガティブな自分に憑りつかれて、憂鬱な1週間を過ごした。
はじめはとにかく、悲しかった。悲しくて悲しくて。自己肯定感の低い私が、一生懸命、地道に築いたひと握りの自信が一瞬にして崩れて、「どうせ私なんか」そんな考えでいっぱいだった。

歩みを止めた1週間の間、友人、事務所の先輩に、たくさん相談をした。
昔の私だったら、きっと誰にも相談せずに1人ぐるぐる永遠と考えふけていたけれど、幸いにも相談できる人たちがいる、今の私には。
ネガティブに染まった時間は、カレンダーでは1週間、体感時間は3か月ほど。
はじめは悲しくてしかたなかった気持ちも、誰かに話していると「なんで悲しいのだろう」から「悔しい」「もっと、いろんな体型のモデル(スリムサイズ、標準サイズ、少しふっくらしているサイズ、大きいサイズ)が当たり前のように活躍できるようにしていきたい」「誰もが心自由に生きることができる穏やかな世の中にしたい」そう気持ちが変わるまでの1週間は、とても長く感じた。

人それぞれ魅力があり、心自由に生きていいことを、これからも伝える

誰かの生きづらさが、誰かを傷つけると私は考える。
今日もまた心ないメッセージが届いても、「この人も生きづらさを抱えてるのかな」と思う。
きっと、社会がこれまで押し付けてきた価値観や、育った環境、今いるコミュニティや職場で、心の自由を奪われている人たちなんだ(だからといって、誹謗中傷をしていい理由にはならないけれど)。

私たちはいつから、心が不自由になり、生きづらさを抱えるようになったのだろう。
「人それぞれ、みんな美しいところを持っていて、魅力がある」
「もっと、自由に生きていいんだよ」
そう言ってくれる誰かが、大人が、この社会には少ないのかもしれない。
だから、私は言い続けたい。
人それぞれ魅力があること、心自由に生きていいことを、これからも伝える。