あなたみたいな、あなたじゃない人に、いつか出逢えますように。

そう願い、想い、あれから半年。

元彼と別れて積極的に行動したら、楽しいと思える人と出会いがあった

友達の紹介で異性と絡みを持ったり、マッチングアプリを始めてみたり、異性に対して積極的になってみた。よく周りに「真面目すぎ」と言われる私だが、思い切ったことを初めてできて少し成長を感じた。これも、あの日のおかげなのかな。

それから、たくさんの異性と話したり、ご飯を食べに行ったり、一夜を過ごしたこともある。その中で趣味が一緒で、話が盛り上がって、歳も近くて同世代の話題が盛り上がる楽しい人と出会った。

時間を作ってまでも、会いたいな、楽しいなと思ったので、何度か会うために自分から足も運んだ。その後同じ気持ちになることができて、思い切って交際を始めた。

付き合っていく中で、過去の恋愛の話は付き物だろう。そして、彼の口から出た「元彼」というワードに彼を思い出してしまった。

忘れようと思っても、新しい恋に踏み出しても、やはり忘れることは不可能だった。今の彼の存在を目の前にしながら、元彼を思い出したり、比べてしまったり、ここにいる君が彼だったらいいのにな、って酷いことを思ってしまった。私、まだ忘れられていないんだ。なんだかんだ、まだ好きなんじゃん。

新たな彼氏がいるにもかかわらず、私の心にはまだ元彼がいる。

その日から彼氏と過ごしていても、元彼を思い出してしまう。そんな日々を続けて3ヶ月。携帯に覚えのない電話がかかってきた。

「誰だ、この番号」。変な番号ではなかったので、親族が番号を変えて連絡してきたのかと思い、少し怪しみながらも恐る恐る出てみた。
「もしもし……」。
「あ……ごめん電話しちゃって……」。

うん、声でわかる、元彼だ。番号は変わってるけど、私の番号は残しておいてくれてたんだ。でも、どうしてこんなタイミングで電話なんかかけてくるの。あなたのことを考えて、思い出してしまっていたっていう時に。よりによって電話だなんて。声聞いたら、やっぱり……。

「番号変えたんだね」。
「そう。それと、話したいことがあるんだけど、今時間空いてる?」。
私は話を聞くことにした。けど話って何だろう、もしかして言ってた話が本当になって、別れたっていう報告? それとも……。

「終わったんだ……終わらせたんだ、全部」。なぜか私は、複雑な気持ちも背負いつつ少し嬉しい気持ちもあって、気づいたら涙が溢れていた。自分にとってではなく、彼にとっていい選択であっただろうし、これで彼も前に進めるという喜びだった。

「こんな状況に言うのはおかしいけど、すぐにとは言わない。いつか、また……」。
「大丈夫だよ、私のことは気にしないで」。

彼が言いかけた、私が最も期待していた言葉を途中で止めた。それじゃ前の私と変わらないし、私は変わったはずだから前に進まなきゃって思った。

元彼との関係は終わったはず。わかっているのに、私はまだ元彼が好き

でも、これが私にとって喜びであり、幸せであり、安らぎと感じられる場所。でも、どこかで悲しんでいる苦しんでいる人が、前の家族がいるかも知れない、と優越感と罪悪感を天秤にかけ、前の私に後戻り。

もしこれで、彼と一緒の道を歩むことにしても、あなたが想ってくれていた私はもういない。忘れようとして無理矢理恋愛をしたり、今なんか彼氏だっているし、汚れた私だよ。彼を受け止める器では、居場所ではもうないのに……。

「あはは、変わってなくて安心したよ」。
「え...?」。
「今、絶対自分なんて……ってまたネガティブなってたでしょ?」
ああ、やっぱり私のことをよくわかってくれて、私の気持ちを理解してくれる、受け止めてくれる人でこの人に勝てる人はいないな。私の負けだ。

わかってるのに、わかってるのに私はまだ、彼が好きだった。そしてまた、彼のことを好きになってしまった。私たちは再び巡り逢い、愛し合い、今は小さな一つの屋根の下、周りを少し気にしながら身の狭い思いをしながらだが、日々楽しく時には切なく、一緒に過ごしている。

私は、私を見透かしているようなあなたが好き。わかってくれて、理解してくれて、受け止めてくれて、そして、何よりも居心地が良くて。私は出会った時から、そんなあなたに依存してしまっているのかもしれない。

これが、私の「終われない恋の理由」。