あの夜があったから、今の自分がいる。

就職して3年目の雨の日の夜。
10個年上の職場の先輩とぶつかった。
1~2ヶ月前から上手くいってなくて、とうとう言い合いになった。というか、こちらは言い返す間もなく向こうの言いたい事を一方的に言われた。

ある事ない事言われ、こんなにも分かり合えない人っているんだ、と正直びっくりだった。
私は悪くないと思いながらも、後輩だから謝った方がいいと周りに言われ、渋々謝りに行った。でもあからさまに拒絶された。

一方的に怒鳴って泣いた先輩は「私のせい」で1週間仕事を休んだ

雨が降っていた夜だった。
何故かあの人は、怒鳴った側なのに泣いていた。泣きたいのはこっちだった。
あなたは言いたい事全部言えてるじゃんって悔しさというか情けなさがあった。

その後、先輩は1週間仕事を休んだ。
他の人達は私に「何があったの?」「何で揉めたの?」と心なく聞いてきた。
本当のことを話しても、というかこの人達に話したところで何も変わらないと思い、人との関わりがめんどくさくて何も言わなかった。

どうやら後輩(私)と合わないから、仕事を辞めたいと先輩が言っている事を、他の先輩から聞いた。
そんなに嫌なら辞めればいいのにと思ってしまった。

でも1週間後、何もなかったかの様に先輩は戻ってきた。
休んでる間、snsに「海鮮丼めっちゃ美味しい~」「リフレッシュ休暇~」みたいな投稿をしてたらしい。呆れる、本当に。
怒鳴って、泣いて、を先にした方が被害者になる、そんな世界だと改めて思った。

向こうが辞めないなら私が辞める。辞めることは逃げじゃない

10個も年上なのに、中身は私より年下だ。
その時、全ての人があの人の様に見えてしまった。ある事ない事言って自分は可哀想、自分は被害者だ、という考え方。

私はこの夜、仕事を辞めよう、転職しようと心に決めた。
雨の中の帰り道で、もう絶対にここにいたらダメだ、と思った。
人の事をそんな風に思ってしまう自分が嫌で嫌で仕方がなかった。
向こうが辞めないなら私が辞めないと。

仕事は続ける事が正義で、辞める事は逃げだとずっと思ってきた。
でもそれは絶対に違う。
正義じゃないし、負けでもない。

自分を信じて道を決める大切さ。仕事を辞める決意をしたあの夜

私はあの夜があって仕事を辞める決意が出来た。
在職中に就活をして、退社1ヶ月前に就職先を決める事ができた。
次の職場が決まってからはというと、足取りが軽かった。誰かに何を言われても、あの人に何か噂話を流されても気にならない。

あの人には辞める時の挨拶すら無視された。
もうこれでいい。絶対次の職場は人と関わりすぎないで表面だけでいい。そう思いながら入社した。

状況を何も知らない新しい職場の方々は本当に暖かく迎えてくれた。こんな私に「入社してくれてありがとう」と声をかけてくれた。ありがとうは色んなありがとうがあるけど、こんなにあったかい気持ちになったありがとうは忘れられない。私は絶対にここで精一杯がんばる、と誓った。

あの人のLINEもSNSもブロックして、もう自分の中から消した。色んな人がいるなって勉強になった、と1年経つ今だから思えるのだろう。
むしろ成長させてくれて、新たな素敵な職場に出逢わせてくれてありがとう、と思える。
あの夜があったから今の自分がいる。大人になった成長した自分がいる。

自分を持って、自分を信じて道を決めていく事の重要さに改めて気づいた。
自分だけは自分を好きでいたい。
なぜなら自分の味方は自分しかいないから。