転職活動を何ヶ月かやって、事件を起こした。
そのときのことは、以前にエッセイ「エージェントも使い転職活動したのに、面接を当日キャンセルした私の懺悔」に書いた。
そこからは本格的な転職活動ができないでいる。

合同説明会で引き止められ話した社長が面白く、応募しようと決めた

新卒の時の就職活動と転職活動では圧倒的に違うものがある。それは、「仕事の経歴を見られるか見られないか」ということだ。転職活動をやってみて気づいたことは、「やりたい仕事こそ怖くて応募できない」ということだ。
新卒での就活では感じなかった「恐怖」。いつからこんな風になったんだろう?
新卒の時の就活も振り返っていこうと思う。

新卒の就職活動、確か12月からグランドオープンだったと記憶している。リクナビやマイナビなどに会員登録して、気になる企業にエントリー、合同説明会にも行った。
そこで今も働いている会社の先代社長に出会った。あまり興味のない業界だったけど、そこにいた社員さんに「社長が合同説明会にいるなんて滅多にないですよ!少し聞いて行かれませんか?」と言われ、しぶしぶ席について話を聞いた。
話を聞くと、私は「この人が社長?いや、社長っぽいけど、おもしろい人だなー」と漠然と思った。
業界のことは関係なしに社長に興味を持ち、この会社に応募してみようかとなった。社員さんの引き止めがなかったら、こんな気持ちにはなっていなかったと思うので、出会いというのは不思議なものである。

トントン拍子で内定まで進み、急にここでいいのだろうかと不安に

ここの会社とはトントン拍子で内定まで進んだ。未だに覚えている1次選考、2次選考、3次選考、内定までの流れ。
特に印象的だったのは2次選考だった。社長と私、2人きりでの面接。
まず社長からひとこと。
「のどが痛いので、のど飴なめてます。ごめんなさいね」
私は思わず、「それって、風邪なんじゃ……」と答えていた。
「僕は風邪をひかないので!」と得意げに答える社長。「絶対風邪だぁ……」と私は思いながら、1時間ほど面接は続いた。
でも、ずっと話していると私の話が尽きてしまう。
そんな中社長は、「もう1個だけ質問しよう!」と私を帰さなかった。何とか1つ絞り出して質問したのを覚えている。
さらに、この会社では、店舗レポートという課題があった。店舗に訪問し、感じたことをレポートとして提出する。店舗の雰囲気や、働いている店長の生の声を聞くことができて、自分が働くイメージを作るいいきっかけになった。今私は店舗見学される店長側になっているが、仕事のことの楽しさ・厳しさをたくさん話すようにしている。

トントン拍子で比較的早い段階で1社内定とれて、社長が目の前で内定の理由を話してくれたのに、急にここでいいのだろうか?と不安になった。
内定承諾はしたものの、やっぱり不安だ。そう思い、実はこっそり就活を続けていた。
しかし、まだ少し就職難だった当時、どこも内定をいただけず、そのまま入社することにしたのだった(社長にはこのことはお見通しだったようだ)。

就職活動をする、またはしている人に、僭越ながら3つアドバイスを

転職活動のことは以前記載したので割愛するが、就職活動をしてる人、これから就職活動をする人に、僭越ながら3つアドバイスをさせていただきたい。

1つ目は、少しでも気になった企業があったら、説明会に行ってみることである。
合同説明会での私の行動のように、もしかしたら最初は何となくで説明会に参加したけど、気になって応募、最終的にその会社とご縁があったということもある。
説明会で話を聞いて、興味がなかったとしても、「こういう会社があるんだ」と学びになり、次につながることもあるのでオススメだ。

2つ目は、就職活動で出会った人との縁を大切にすることである。
私の場合は、説明会で一緒に話を聞いた子と仲良くなったり、道に迷って、トラックの運転手さんに道を教えてもらったりしたことがあった。
一緒に就職活動をしている仲間がいると、同じ会社にならなくても、がんばろうという気持ちになるし、そこからいい情報がもらえるかもしれない。まさかの結婚相手になることもあるかも……なんて妄想をしながら就職活動をしていた(笑)。
コロナ禍でZoom面接が多いと思うけれども、もし連絡先を交換できるなら良ければ縁を広げてみるのも1つである。

3つ目は、どうしても気になる企業には、電話を掛けて聞いてみることである。
私は某キャラクターが当時大好きで、その会社の関西採用があるかを直接本社に電話をしていた。答えは採用していないとのことだったので諦めたが、もしかしたら1度会ってみましょう!という話になるかもしれない。
本当にやりたい仕事ができる人はほんのひと握り、だからこそ空回りでもいいから、熱意を伝えるのも1つである。

大事なことは、世の中のできごとは、「誰かの仕事」で回っているということを念頭に置くことだと思う。誰かの仕事で誰かが役に立っている。当たり前だけど、そう考えれば就職活動は嫌なものではない。私もまた転職活動を始動するのなら、そこを忘れないでおこうと今更ながら思う。

お仕事されている皆さま、おつかれさまです。就職活動をされている皆さま、あなたはひとりではありません。一緒にがんばっていきましょう。