とにかく、私はあなたと仲良くなりたかった。
出会ったきっかけはなんだったかな、小学生の時の体験教室で一緒にカレーを作ってからだったっけ?

仲良しだった素敵な女の子。私の性格が原因で遠ざけてしまうようになった。

あなたは絵に描いたような「素敵な女の子」だった。誰とでも仲良くできて、明るくて、なにもかも素敵だった。
当時は自然と惹きつけられて、気づいたら一緒に遊んでいた。一緒に授業の休み時間に話して、笑って。あぁなんてこの子は素敵なんだ!とはしゃいで。そして家に行ってゲームで遊んだこともあった。
けれど、けれど私は道を間違えてしまった。

中学校に進学して同じ吹奏楽部に入った。
同じクラスになったり、放課後は一緒に部活動をしたり、あなたは私にとても良くしてくれた。休みに一緒に洋服屋に行って、どの服が似合うかとかお揃いの着たらかわいいねとか話してプリクラを撮ったりなんてしてくれて、きっとこの時が自他ともに「仲良し」だったんだと思う。

そして何も考えずはしゃぎ中学生活を送る私は、だんだんと思春期になっていっていた事に気づけなかった。自分の家庭環境の悪さも相まって、自分のアイデンティティが見いだせなくなっていたのだ。
どんどんと私の性格は過激になり、自分に近しい存在を排除する思考になっていった。
今だから思うが、わけがわからない理由で私と仲良くしてくれていたあなたを遠ざけるようになってしまった。

一番になれないなら、嫌いになるしかない。少しずつ遠ざかる距離

あなたの一番の仲良しになりたいのに、どうやったって自分が入る隙がなくて、悔しくて悔しくてとにかく意味がわからない理由で理不尽に怒って、あなたを拒絶した。
「私はあなたと一番の親友になりたいのになれない、だから嫌いになるしかない」
最終的にここまで狂ってしまっていた。今でも悪夢を見るほどおぞましい事を私はあなたにしてしまっていた。

当然聡明なあなたは察していたね、大きな亀裂が入るわけでもなく、ゆっくりと、だんだんと、距離が遠ざかっていった。でもその時あなたがとても悩んでいたことを後から知りました。

気づいたときにはもう卒業していた。私はとんでもない愚か者で、もう二度とあなたと遊ぶことも友達と呼ぶことも許されないんないんだろうと思った。

成人式から6年。これからも連絡先を眺めながら、反省をするのだろう

成人式で少しだけ話して謝った時、許してくれたね。
一緒に飲み会で隣の席に座らせてくれたこと、今でも本当に涙が出るほどうれしくて幸せな思い出です。
でもね、でも。また連絡してって言ってくれても、連絡先を交換してくれても、こんなことをしておいて本当の意味で許されているわけがないっていうことは自分でもわかっているんです。
だから、もう成人式から6年も経ったけど、まだあなたにメッセージを送ることができないでいます。

毎年連絡先を眺めながら、季節の挨拶をしてみようかと考えて、あぁ、加害者がそんなことする権利なんてないんだと思ってぱたりと携帯を枕元に置いてうずくまって反省しています。
きっと今日も、今年も、来年も。いつまでも忘れない私の大事な思い出、大好きな友達、そして私が何をしたのかという現実。
私はいつまでも忘れない。