小学生の時、読書感想文で、ネットで知り合った人に会う物語について書いた。タイトルは覚えていない。
確かあの時、私は「ネットで出会った人に実際会うなんて主人公は何を考えているのか」「ネットの中の人は本当は怖い人かもしれないのに会うなんて……」というように散々主人公を否定していた。

しかし、それから10年ほど経ち、大学生になった私は、ネットで出会った人に実際に会った。
SNSの距離感が日々変わっている私がいる。大学時代、Twitterを通じて出会った友達のEとは、今でも関係が続いている。
出会った場所と今いる場所は異なるのにもかかわらず。また、出会ってから5年経っているのに。

ネットで出会った人と友達になったり、撮影してもらったり

大学時代、私は京都で過ごした。
大学3年生の夏には、初めてロリィタファッションブランドのお茶会に参加した。その時が初めてネットで出会った人と実際に会った瞬間だった。
初めは少し怖くもあったが、同じ趣味を持った人たちのイベントという楽しみが勝ち、行ってみた。結果、趣味友達ができ、楽しく終わった。

そのあと、SNSで私をロリィタだと知ったアマチュアカメラマンさんから声をかけられ、ポートレート撮影の被写体としてチャレンジしてみた。
その方は私の親ほどの年齢の男性だった。初めてそのような年齢の方とネットを通じて会った私。怖くもあったが、会って写真を撮っていただいた。
しかし、最終的に私が思ったことは、「写真を撮っていただくなら、女性が良い」ということである。その男性カメラマンさんの距離感の近さに耐えられなかった。
今では、性別関係なく撮っていただいているが、当時は、女性カメラマン限定で写真を撮ってもらうことにしていた。

Twitterにて「#被写体募集」で検索。私は女性カメラマンを探した。大学4年生の頃だ。
時には「#女性カメラマン」で検索。被写体募集をしているカメラマンを探した。
誰でも良いわけではない。好きな雰囲気の写真を撮るカメラマンを探した。

SNSを通して関西で出会った彼女と、関東で再会して

そこで見つけた一人がEだった。私から直接DMに連絡を入れた。自己紹介をし、写真を撮っていただきたい旨を伝えた。いくつかやりとりをし、大阪の公園で会うことになった。

女の子を装った男性ということも考えられるネット社会。女の子だと思って会ったら実は男性だったという話をよく聞く。ネットは嘘が簡単につけてしまう。私がやりとりをしていたEも実は男性かもしれない。
それでも私はEに会った。初めて会ったEは、TwitterのDMでやりとりしてた通り、女の子だった。はじめましてながらも様々な話をし、同い年だということもわかった。撮影後は二人でカフェに行ってスイーツを食べた。
そこから2ヶ月後、今度は大阪ではなく兵庫県で撮影をした。
その時私はEに、当時のニックネームである「アリス」と呼ばれていた。

大学を卒業し、私は関東へ引っ越した。
関東へ引っ越して1年も経たないうちに、Eが関東に住んでいることを知った。
嬉しかった。いつもやりとりしている相手ではないが、知っている大学時代からのカメラマンが関東にいるという事実が、非常に嬉しかった。

また連絡をとってみようと思い、私から声をかけ、東京で撮影した。
会っていない月日は1年以上あるのに、撮影場所の最寄駅で久しぶりにあった時、久しぶりという感じがしなかったことを今でも覚えている。

SNSで出会った彼女とは、一生の付き合いができそう

それから、毎年、1年に1回必ず会って撮影している。秋前に「撮影に行こう!」と私が声をかけ、会う。会う度に「久しぶり」と言いながらも「久しぶりって感じしないよね」とお互い笑いながら言っている。
Eと出会って5年経ったが、今でも彼女は出会った当時の私のニックネームである「アリス」と呼んでくる。

今年も私は、Eに会った。Eが行きたいと言った公園でだ。
「色んな表情するようになったね!」
と褒められた。
来年も会えたら良いなと思う。
「来年も撮影に行こう!」
と、もうEに言っておいた。

SNSからの出会いは怖くもあったが、良き出会いもあった。Eとの出会いはその一つ。
Eとは一生の付き合いになりそうだ。