私は、両親が3歳の私を育ていたころと同じ年齢になる。
父と母は授かり婚で、今年は結婚27年目を迎えた。両親は、私よりも3歳年下の花嫁と新郎で23歳だった。
26歳になって彼らに思うのは、「私ができたことで大人に成らざるを得なかったのだろう」と。

私は自分の好きなことをして、自由に暮らしている。大きな責任もなく、持っているものを全て捨てられるほど身軽だ。仕事も住む場所も変えられるし、人間関係さえ一掃できるが、両親は親として26歳を過ごした。

逃げたかっただろうか。小さな私が重たくはあっただろう。若い彼らのお金も時間も、全部私が奪っていった。母の手料理を食べて、新品の服を着させてもらった。写真に映った小さい私は様々な表情を浮かべて幸せそうだ。

私は親になれる自信がない。何にも縛られたくないと生きている。
両親は親を全うし、私は自立した。
彼らは言う。楽しい子育てだったと。両親は今でも私を愛し続けてくれている。

歳を取るにつれ、早々に地に足を付け生きた両親を尊敬する。根のない生き方を選び続けている私は大人になれているだろうか。友達も次々と親になっていく。両親の望んだような人間に、私はなれているだろうか。