SNSには、私が選ばなかった憧れの生き方が投稿されている
波。
2021年、「26歳、女性」を襲う波は、コロナだけではなかった。
結婚第2波は一瞬にして通り過ぎ、出産第1波が颯爽とやって来た。
結婚も、出産も憧れる。それでも2022年、「27歳、女性」になる私は、一度、結婚、出産を保留する。ぐぐっと隙間をくぐり抜けて、ぐいっと足を引き上げて、私が作りたい世界を作るために一歩ずつ前に進みたい。
男女平等、女性活躍という言葉があちこちで聞こえるようになったけど、やはり、まだ、世間から見たら、負け、の部類に入るのだろう。
しかし、仕事の成功も、結婚も、出産もすべてを一気に得るのは簡単ではないとわかっているから、1年だけ「諦める」という選択をする。その代わり、仕事に全力投球する。
結婚、出産を諦めるわけではない。周りが結婚を前提としたお付き合いを始めて、結婚をして、子供を産んで。SNSで投稿される、私が選ばなかった生き方がそこにはある。憧れる。私だって、好きな人に好きと言いたい。
1年1年、全力で取り組んでいた私がいるから、今がある
中学生の頃、なんとなく、23歳で結婚したいと思っていた。高校生になり、大学卒業後、大学院にも行く場合、働く場合、色々な選択肢を想像して、年齢を計算する中で、「あれ、23で結婚は難しいな」と気づき、25までと変更した。
大学院を出て、会社勤めが始まった。途中で25も難しいだろうと感じたが、その通り、あっというまに26になっていた。
1年1年、決して、無駄に過ごしてきたわけではない。何をしていたか、思い出すことができる。あの時に全力で取り組んでいた私がいるから、今があると自信をもって言うことができる。
恋愛に関しても、そうだ。何もしなかったわけではない。好きになる予感がありを感じ、デートをして、やっぱり好きになり、お付き合いをした。喧嘩もした。楽しいこともあった。
でも、環境の変化を一緒に乗り越えることはできず、お別れした。それを何通りか繰り返し、更新が止まっている。
今も、好きになる予感を抱かせてくる人はいる。でも、好きになってしまったら、不器用な私は恋愛にも100%、仕事にも100%で取り組もうとして、両方満足できない結果になると想像できる。
そんな私は嫌だ。そんな私を好きになってくれる人も嫌だ。
私が関わることで、もう少し多くの人を楽しませることができる
「好きなことできて良いよね」。それは違う。
人を全力で愛したいし、子供と全力で向き合いたい。確証はないけれど絶対に好きなことの1つになるって自信はある。それでも、私が決めたんだ。今は、作りたい世界を全力で作るために頑張りたい。だから、迷いのない笑顔で、自信を持ってこう答えよう。
「うん!」
私がやらなくても、仕事は進むだろう。私が動かなくても、社会は少しくらい良い方向に進むだろう。それでも、私が関わることで、もう少し多くの人を楽しませることができると信じているから、もう、迷わない。
全力で1つの世界を作り上げた先には、こんなわがままな私を受け入れてくれる人がいるのではないか。そう思うことにして、ココアを1人分用意する。小鍋に大さじ1杯の砂糖と大さじ1杯のココアを入れる。少量の牛乳を注ぎ、丁寧に練り込みながら、明日の戦いの準備をする。
見ていてくれよ。そして、思い切り楽しもう、私。