勉強も部活も頑張った学生時代。「かっこいい女性」になりたくて

私は小さい頃から強くて、自立した女性に憧れていた。
小さい頃は宝塚がすごく好きで、男役の宝塚スターになりたかった。「可愛らしい女性」よりも「かっこいい女性」になりたかったし、あんまり男の子や恋愛にも興味がなかった。
色恋沙汰もめんどくさいな~と思っていて、中高は女子校に行った。
普通の女の子達みたいに恋愛、結婚、出産という将来像はあまりなかったし、自分のキャリアや夢のために生きたい!と思っていた。

宝塚スターは身長の関係で諦めてしまったけど、7歳からクラシックバレエはずっと続けていたし、高校生ではチアダンス部に入って部活に打ち込み、全国3位になった。
苦手だった勉強も頑張った。自分を成長させるために沢山努力をしていた。
そうやって努力していれば、いつか幸せになれると思っていた。

恋愛経験がないだけで、これまでの自分が否定されたような気がした

でも、高校を卒業して大学生にもなれば、話題は殆ど恋愛のこと。
どういう彼氏と付き合っているか、彼氏が今まで何人いたか、どれだけ男に口説かれたかが女としてのステータスだった。
今まで勉強や部活をどれだけ頑張ってきたかなんて、全然話題には出されない。
私は女子校出身だったし、男性との恋愛とかそういうものに全く慣れていなくて、友達との恋愛の話題に全然ついていけなかった。自分が本当に必要としてるかどうかも分からない彼氏がいないことに悩んで、「彼氏いない歴 年齢」なんてインターネットで調べたりした。

「なんで彼氏いないんだろうね?色気が足りないんじゃない?」
「ほんと女らしくないな~。そんなんじゃ結婚できないよ」
そんなこともよく言われたりもした。
でも彼氏がいない、恋愛経験がないっていうだけで、人間としての何かに欠落があるって思われるのはおかしいと思った。私は今まで違うことで沢山努力をしてきたんだから。
なんだか今まで頑張って努力してきたことが無駄で、自分が男性からモテるかどうかで全て判断されてしまう気持ちになった。前まではそんなこと考えなかったのに。

社会人になっても、やっぱり男性からどう見られるか、彼氏がいるかどうかは女性として重要らしかった。
「男の人もいるんだから、もっと気を遣わなきゃダメ」
「何?その服装は。もっと綺麗にしなきゃダメ」
「彼氏いないの?20代後半になったら焦るよ。早く作らなきゃ」
本当に息苦しい世の中だと思った。素敵な女性って一体何なんだろう。

どうなるか分からない他人との関係より、自分を大切にしたいから

彼氏がいなくたって、恋愛していなくたって、理想の自分を目指して自分なりに努力していればいいんじゃないのか。そう思いながらも、世の中で常識とされていることや、恋愛していない自分が他人からどう見られるかということに怯えてもいた。怖かった。

他人から言われる前に「私って全然モテないんですよね~」なんて自虐をして、勝手に防御線を自分に張っていた。自分らしく生きればいいんだ!と思いながらも、恋愛がうまくできない自分にコンプレックスを抱いていた。私もどんどん男性からどう見られるかということに重きをおく女性になってしまっていたし、そんな自分のことが全然好きになれなかった。

なりたい自分を目指して、それを好きになってくれる人が現れたらいいんじゃないのか。いつ恋愛するか、いつ結婚するかなんて関係ない。今後どうなるか分からない他人との関係よりも、自分自身を成長させて好きになっていきたい。目標に向かって頑張っていた10代の自分のように。

周りからどう見られるかより、自分が自分であることを大事にしたい。
女性はずっと、この葛藤の中生きていかなきゃいけないのか。女性が自分らしく自由に生きていくのは本当に難しい。