母が1万円を振り込んできた。服を買う足しにして、と。
今年で30歳になるおとなが情けないと思うだろう。
しかし現在、私はフリーター。コロナ禍の影響を受け、収入が激減している。情けないが、ありがたく頂戴した。

身長143センチ、「着たい」服より「着れる」服を探してしまう

若いのに服もあんまり買えんのは不憫、と母は言う。
テレビに出たという、低身長向けのブランドを激推しされた。値段をみたら高かった。
お金は助かるけど、服に興味はない、と答えた。興味がなくても服は必要でしょ、と返ってきた。それはそう。

私の身長は143センチ。小学校から高校まで、小さい順で並ぶと常に1番前だった。
ロングスカートは床に引きずる。七分袖は長袖になる。
いいなと思う服があっても、着れるかどうかは別問題だ。ちょうどいい丈のパンツが、奇跡的に見つかったときは嬉しかった。数年着ている。

服を買いに行こうと出かけることはある。だが、「着たいもの」ではなく「着れるもの」を無意識に探しはじめる。ない。だんだん疲れてくる。ああ、これならまあいいか、と妥協する。もしくは、何も買わずに帰宅してしまう。

コートすらなかなか買い替えず、見かねた母から贈られた。私が高校時代に、学校指定で着ていたコートを、お店でリメイクしたものだ。若干高校生っぽさは否めないが、もともと良い値段のコートだけあって長持ちしている。

ファッションに興味がないと思っていたけど、私は諦めているだけかも

ファッションに関して、母には興味がないと伝えた。実際そう思っていた。
子どものころは、母が買ってくるものを抵抗なく着ていたからだ。自分より小さい従姉妹が、あの色がいい、この服は嫌だ、などと言っているのが理解できなかった。とくにこだわりがなかった。

しかし最近気がついた。
興味がないのではなく、諦めているだけではないか。
お金がない、サイズが合わない、似合う服がわからない……。いろいろな言い訳を並べて。
現に、服のこと以外はポジティブな出来事が起きている。

2021年は、好きなアクセサリーに出会えた。
日本のものづくりにこだわった、素敵なブランドだ。
ネイルもはじめた。
コンビニで買えて、ズボラな私でも塗りやすく、すぐ乾く。
爪がピカピカしているだけで、こんなに気分が上がるなんて知らなかった。仕事中につい眺めてしまう。
メイクだって、面倒くさいし、マスクだからと適当だったが、SNSでバズったリップを偶然買ってからは、割とちゃんとしている。結構楽しくなってきた。

準備が整った気がする。

自分に嘘をつくのはやめて、挑戦して素敵な自分になりたい

ここで私の、2022年の宣言。

自分に嘘はつかない!
どうせ自分なんて、と考えない!
面倒くさい、をやめる!

ファッションに興味がないなんて嘘だ。自分なんて、と諦めてしまっているだけ。
自分に嘘をつくのはもうやめよう。
母いち押しの低身長向けブランドの服は、まだ買う勇気が出ない。けれど、自分に合う服は必ずどこかにあるはずだ。
面倒くさい、を発してしまうのは、服を探して諦めそうなタイミングが多い気がする。あるいは、疲れているとき。口ぐせになっていることがあるので、それもやめたい。
まずは、いま持っている服を見てみよう。断捨離もしよう。
それから何が必要なのか確かめて、母からの1万円を大事に使わせてもらおう。

好きなアクセサリーと、ネイルと、メイクに合う服を着て、素敵な自分になりたい。
2022年は、挑戦する1年になりますように。小さいが、大きな野望を胸に秘めている。