私には最高のパートナーがいます。夫です。彼は私が出会った中で一番優しい男です。
彼と話すとパワーがみなぎり、彼が私の隣にいると運気がアップします。私は風水とかにあまり明るくありませんが、パワースポットってこういうことだと思っています。
あるときから、真面目な話をしようとすれば涙が溢れるようになった
私は真面目な話をすると、なぜか涙が出てくる体質でした。それに気づいたのは小学生の頃でした。
ある授業、公共施設の利用の仕方について話し合う時間がありました。私は子供の頃は意見を言ったり、前に出て発表するのが好きなタイプだったので、意気揚々と手を挙げました。図書館の本は大切に使いたい、という旨を話すつもりでした。
「私は、図書館の本は皆の……」
話しはじめると、何故か私は感極まってしまい、もう発表どころではなくなってしまいました。多分クラスメイトは引いていましたし、私も引いていました。
なんでこの人今泣いているんだろう、いつもあんなに話しているのに、と。教室中が「?」で溢れました。
授業が終わり、先生になんで泣いたか尋ねられました。
「本が好きだから泣いちゃったの?」
私は適当にはい、と答えました。心の中でそんな訳あるかい、と呟きました。本は好きですが、泣くほどの情熱はありません。
それからというもの、このようなことが何度もありました。一対一で話しても、仲の良い人相手でも、そんなに知らない人相手でも、ちょっと真面目な話をしようもんなら問答無用で涙腺がバグを起こします。
些細な内容でも泣くととんでもなく重大なことのように扱われてしまうので、私は真面目カテゴリーに少しでも当てはまる内容を話すときには、出来るだけ冗談を交えながら話し、冗談を交えられない話は避けるようになりました。
悩みを言葉にできない私を襲った悲しさ。泣いている私に気づいた彼は…
なので本当に自分が悩んでいることなんか、口にしたことがありませんでした。そんなこと話したら涙が出てきて、嗚咽が出てきて、伝えられないからです。それに泣いてるところを見られるのが気恥ずかしく、とても居心地が悪いのです。自分でも、なんで泣いているんだろう、と思ってしまいます。
授業中涙を流し、変な子扱いされた私でしたが、それでもなんとか大人になり、パワースポット男と出会いました。結婚して妊娠した頃、私の涙腺は人生最大のバグを起こしました。
何をしていても涙が溢れてしまうのです。妊娠してホルモンバランスが崩れていたのもあるでしょう、毎晩布団の中でしくしく泣いていました。
ある晩、森羅万象全てが悲しくて、仕事から帰ってきてご飯も食べずに布団に入り、しくしく泣いていたときのことでした。事情があり、まだ別居していたパワースポット男から電話がかかってきました。
私の体調を労わる電話でした。
「泣いてる?」
と聞いてきたので、うんと答えました。それが私にとって精一杯でした。するとパワースポット男はいつにない速さで駆けつけてくれました。
私の家に上がるなり、泣いている私を抱きしめ、撫でてくれました。そのとき心から安心し、本当にパワースポットだな、と思いました。
心から安心を与えてくれるパワースポットな彼に伝えたい感謝
彼は、あのときの担任の先生のようになぜ泣いているかは聞いてきません。もっともらしい理由をあてがってもきません。私が何も言わず泣いていても、態度を変えません。その全てが心地良いのです。
今でも私は真面目な話が苦手で、悩みを打ち明けることが出来ません。彼に伝えようとしても、言葉が詰まって出てきません。
言葉で伝えず、ただ泣いているだけなので、私に「誰かに頼れる力」があるとは思いません。私も普通に言葉で伝えたいです。
そんな私でも頼らせてくれるパワースポット男に感謝しながら、言葉を探しながら涙を拭く毎日です。