イベント好きだった学生時代。私にとっていまや無用の長物

「学生時代、結構作ってたな」と思い出す。
バレンタインに限らず、イベントの時にそういうのを用意するのが好きだったんだと思う。
型に流し込んだだけみたいな義理チョコでも、渡せば面白いことが起こったな。
大した手間もかけてないチョコのお返しで結構しっかりした可愛いペンケースを貰ったり、なぜかわからないけど「食べずに腐らせました」と卒業する時まで報告してくるやつがいたり。
同級生の友チョコ的なやり取りで一番評判がよかったのはパウンドケーキかな。2回作って持っていった記憶がある。

そんなことも今となっては無縁の長物だ。コロナがなくても無縁である。
愛だ恋だのは少女漫画が生み出した幻想で、実際のところは面倒をみる手間が増えるだけのお荷物男を抱えるつもりは毛頭ない。
というより、ちょっといい人がいても、体の関係を持つと体の関係だけになっていくのがどうにもこうにも気持ち悪かった。会ったらヤらなきゃいけない。断るのもめちゃくちゃ疲れるみたいな。
そんなこんなで世間の甘々イベントとは必然的に無縁にならざるを得なかった。

華やかなディスプレイは好きだけど、マンネリ化してない？

それにバレンタインに関しては、ほかのスイーツ絡みのイベントより面白みに欠けるなと思っている。
チョコ一色、という感じにならざるを得ない感じが如何ともしがたいのである。

なんだかんだいいつつ、イベントディスプレイを見るのは嫌いじゃない。
ただバレンタインに関しては少々マンネリ化しているなと思っている。
ディスプレイそのものもチョコカラーとピンクの、それこそ砂糖マシマシの甘々なデザインが多くて、見ていて少し飽きる。
そういった意味で他のイベントも大差ないのかもしれないが、クリスマスの時みたいな高揚感とかツリー点灯で景観が変わって年の瀬の感慨を味わうとか、そういう楽しみが少ない。やはりイベントとしてはコアな感じがする。

デパ地下に並ぶ綺麗にデコレーションされたチョコレートとか、チョコのパッケージを見て回るのも結構好き。
でも結局は花より団子。お高く留まって気取った味が馴染まなくて、食べるならスーパーに売っている100円ぼちぼちのチョコでいいかと思ってしまう。
なんならバレンタイン限定のチョコより冬季限定のチョコのほうがお手軽で美味しいから毎年買ってしまう。
眺めてるだけで十分だなと思って、バレンタイン特設売り場を通り過ぎた。

ふと見つけた製菓用チョコ。久々にお菓子作りでもしてみるか

そう考えると、バレンタインというのはやはりイベントとして少し地味だなと思ってしまう。
バレンタインじゃなくても美味しいチョコは食べられるし、街はなんだかんだ理由をつけて華やかだし、綺麗なデザインのパッケージだって、ネット上にあふれている。
極端な話、バレンタインがなくても、大して困らない。

そんな色気もへったくれもないことを考えながら、近所のスーパーで買い物をしていたとき、製菓用のチョコレートが目に入った。

そういえば最近、お菓子作り、してないな。

なんでお菓子作りをしなくなったんだっけ？一人暮らしをし始めてからだよな？
生活していくには、お菓子より３度の飯を作らねばならない。キッチンも手狭になるし、家具家電付きの住宅に入ったらオーブンがなかった。極めつけはあれこれたくさん作っても一人で食べられない。というか太る。

一人暮らしを始めてすぐの時はそれなりにお菓子作りをしていた気もしたし、大学のゼミ合宿のときには一品作って持って行った記憶もある。
今は使い勝手が多少わかっていない部分はあるもののオーブンレンジもある。
それなのにここ最近、めっきりお菓子などは作っていない。

生活に絶対必要というわけではないが、気づいてしまうと少々寂しいものがある。
お菓子を作ったところでこのご時世だから、どこに持っていくわけでもない。
それでも「たまに作ってみるのも悪くないか」と思い、スマホを手に取った。
ローカロリーで手ごろなチョコレシピをスマホアプリで調べて、材料を買い物かごに入れる。

一人でまったり手作りチョコをいただいてみるのも、たまにはいいかもしれない。