4人の男性とお付き合いしてきた。でも恋をしたのは1人だけ
私は今までに4人の男性とお付き合いをさせてもらった。
初めての相手は小学生の頃。次は中学生の頃、それから大学生の頃と、社会人になった今の彼。
恵まれていたと思う。みんないい人だった。私はその4人全員が今でも素敵だと思う。
でも、この中で恋をしたのは初めて付き合った彼でも、今の彼でもない。
3人目の彼、大学生の頃に付き合ったアキラだ。初恋の彼は、おそらくアキラだけ。
暴言を吐かれたり、お金を貸せと言われたり、傷つくことをされても、3年付き合った。何かに惹かれていたのだ。今の彼に失礼かもしれないが、きっとこの事実は変わらない。
小中学生の頃に付き合った彼らには、バレンタインに手作りのマフラーにチョコレートやクッキーを作って渡した。手作りのカードも添えた。ニコニコと受け取ってくれる優しい人だった。学校が離れて心の距離も離れて別れてしまったけど、素敵な思い出だ。
今の彼と婚約。だから3人目のアキラにはきちんと言わなければ
大学の頃付き合ったアキラにも、バレンタインでは手作りの物をたくさん渡した。カードに置き物に手紙に料理に、バレンタインだからって気合いを入れて普段履かない短いスカートを履いたら喜んでくれた。
今年のクリスマス、私は今の彼に婚約指輪を買ってもらった。その時に、私はこの人と結婚するんだと実感した。私の手を引いて寒い時は私の手を握ったままポケットに入れて歩いた。ささやかな幸せがそこにある。彼はとても優しい。
だから、今年のバレンタインの時に大学生の頃に付き合っていたアキラに言おうと思った。
彼とは別れた後も時々メッセージを送り合って繋がっていたから、これを機にきちんと言わなければと思った。
「私、今付き合っている彼に婚約指輪を買ってもらったの。結婚しようって思った。だからあなたとはもう先へ進むことも戻ることもない。
遠いところまで会いにきてくれてありがとう。
リュックや筆箱、折り畳み傘にニット帽、麦わら帽子、いろいろ買ってくれてありがとう。
私と歩いた道、車で通った道、覚えていてくれてありがとう。
私の演奏する月の光、好きって言ってくれてありがとう。
私の手紙、全部残しておいてくれてありがとう。
塩の入れ過ぎたスープ、おいしいって言ってくれてありがとう。
塩と砂糖間違えて入れた肉じゃがもおいしいって食べてくれてありがとう。
ハザードランプで愛してるってサインしてくれてありがとう。
わかは太陽の匂いがするっていってくれてありがとう。
私が泣いた時に涙を拭ってくれて、傷つけてごめんって言ってくれてありがとう。
寝るときに通話繋ぎっぱなしにして、おはようって言うの……結構照れたけど好きだった。
付き合うの、わかが最後でよかったっていってくれてありがとう。
好きになってくれてありがとう。
私は先に進んで…ごめん。私もきっと傷つけた。ごめんね。もう……」
今の彼が好きなのに。身勝手だけど気持ちに噓はつけない
告げる言葉を考えるだけで何かが私に刺さる。さよならと告げなければならない。もう結婚するって決めたんだから。迷うのはなぜ?
今の彼が好き。それに変わりはないけれど、だらしないアキラを嫌いになれない。アキラとの思い出がなくなることもない。
好きだった。ごめんねとありがとうに溢れた彼との思い出は、今の彼と私にはないものがあった。
結婚したらきっと会うこともなくなる。話すこともなくなる。メッセージや手紙だってもう……。
ねぇ、結婚してよ。私が付き合うの最後じゃなくていいって。
私だけが結婚するとなんかモヤモヤしちゃうよ。
私がずるい感じするじゃん。私だけ幸せになって、あなたが一人になっちゃうなんて、なんか申し訳ないよ。私よりも可愛くて、優しくて、素敵な人、いっぱいいるって。だから、私なんかいなくていいって言ってよ。
わかってる。これは私の身勝手な気持ち。だけど、気持ちに嘘はつけない。
どこか一人になってしまう彼を放っておきたくないと思っている。いや、違う。私は細々繋がっている彼とのやりとりに心の拠り所を感じてしまっている。
今年のバレンタインは、アキラとの思い出のふりかえりとなった。これはこれで一つの思い出。次のバレンタインでは、「結婚して、幸せだよ」ってアキラに言いたい。