かっこいいと噂の彼にひと目惚れ。仲の良い友達状態が続いた

私は転校生。
小学2年生の時に、全く知らない田舎に引っ越してきた。
小学生だから友達作りに時間はかからなかった。
クラス替えがあっても、元々2組しかないクラスは顔見知りの入れ替え。
そんなクラス替えのタイミングで小学4年生の時に、一度も同じクラスになったことがない男子にひと目惚れした。
サッカー部で、足が速くて、顔もかっこいい。いわゆるクラスで1番かっこいいって言われてきてた人。
隣のクラスの女の子から話は聞いてたけど、同じクラスになったことがないから「ふーん」くらいに思ってた。
そんな私が、そのかっこいい人にひと目惚れ。

自分で言うのもなんだけど、当時は私もモテていた。
けど、その彼とは仲の良い友達のままだった。2人とも音楽が好きで新しい曲が出れば1番に共有して、2人だけで盛り上がることも多々あった。
そんな日々が楽しかった。この人を好きになれて嬉しい、と小学生ながらに思った。この仲の良い男と女の友達状態は小学6年生になってもそのまま続いていた。
けど、私の気持ちを知ってる友達たちは「なぜ先に進まないの?」と痺れを切らしていた。

友達と一緒にチョコを作り、「好きです」とメッセージを書いた

そんな友達が2月のバレンタイン前に「もうすぐバレンタインだよ?告白しないの?」と話しかけてきた。
どうしようかな……と悩んでいると、「一緒にチョコ作ろうよ!」と提案してくれて、小学生の最後だし告白してみようかな……と思い、材料を買いに行って友達の家でパンの耳を使ったトリュフチョコを作った。

喜んでくれるかな……とか、美味しいかな……とか、ホワイトデーにお返しくれるかな……とかたくさん考えながらチョコを作り、メッセージカードに「好きです。付き合ってください」と、ピンクのペンでその時1番可愛い文字でメッセージを書いた。

いざバレンタインの日。その日1日中ずっとドキドキして授業どころじゃなかった。
「放課後のいつ渡そう」「渡すときなんて言おう」と考えているうちに授業は終わっていたし、あっという間に迎えた給食も味がしなかった。
やっと放課後になって、彼を呼び止めてチョコレートを渡した。「はい、チョコ!」「お、おう」と、いつもは音楽の話を休み時間中ずっと話す2人が、お互いに照れてあんまり会話できなかった。

彼の気持ちを勝手に解釈して、この恋は大切に脳内フォルダに格納

次の日も学校があり、私は「返事くるかな……」とまた1日中ソワソワ。休み時間もいつも通り2人で音楽の話にたわいもない話で盛り上がった。
でも、その日に返事は来なかった。考えてくれてるのかもしれない!と帰宅。
その次の日も、またその次の日も返事はなし。
ホワイトデーに返事くれるのかも!とポジティブに待ち続けた。
ところがホワイトデーにも返事はなし。
これは……振られたんだよね?と友達数人に確認したくらいには何もなかった。
そんな時も彼はいつも通りで、でも好きで、というよく分からない感情になったのを今でも覚えてる。

結局、彼はチョコを妹にあげ、妹さんの感想は「ガムみたいだった」とのことだった。
私に言わずにいた方が、私がそれを聞かない方が幸せでいられると思っての行動だったのかな、と勝手に解釈して、その時の恋は大切に私の脳内フォルダにしまってある。

そのあと、彼とは中学校も同じだったけど、新しい友達ができて、クラスは離れ、彼に彼女が出来たと噂を聞いたり、私に彼が出来たと噂になったり、お互いに平凡に、それなりに、中学生活送っていた。
それでも、叶わなかったこの恋には誰も勝てなかった。
そんな私の大切なバレンタインの思い出。