次の就職先を見つける前に夫が会社を辞めた。でも、私は嬉しかった

私たちは夫婦二人暮らし。
今年の初めに、夫が無職になった。
勤務時間外の無給労働や、休日に来る会社からの度重なる連絡、一度も使えない有給休暇の制度……。
いわゆるブラック企業に勤めていた夫は、なんとか続けてきたものの、家に帰るなり「明日のために早く寝なくちゃ」と時間に追われる毎日に心がすり減ってしまい、会社を辞めることになった。
次の仕事を決める前に、会社を辞めることになった。

夫が会社を辞める前は夫婦共働きで、休みが合うのは月に2日程度だった。
二人一緒の休みの日は、食材の買い出しに行ったり、お気に入りのカフェでお茶をしたり、いろいろなデートができる、私にとってなにより楽しみな時間だった。

夫が仕事を辞めたとき、私は内心、ほっとした。
心が壊れてしまう前に辞める決断をして行動に移したことと、二人一緒の休日が増えることが嬉しかったからだ。
家計の心配はあったものの、嬉しい気持ちの方がずっとずっと強かった。

夫が実際に無職になって、「私の休み=二人一緒の休み」の日々が始まった。
いままでは貴重な休みを無駄にしないようにと、二人で出かけることが多かったが、家でゆっくりとコーヒーを淹れてみたり、パンを作ってみたり、お気に入りの動画を見て笑ったりと、のんびりとした時間を過ごすことができるようになった。
「働くことは大切だけど、人生の中でこんな時間が過ごせるのも、いいことだよね」と楽しい時間を二人で分かち合った。
夫のすり減った心が満たされているようにも見えて、すごく嬉しかった。

夫が再就職。久しぶりの「ひとりの時間」にわくわくが止まらない

夫が無職になって1か月が経ち、夫の新しい就職先が決まった。
それと同時に、前回の会社と同様に、私たちの二人一緒の休みは月に2日程度になった。
夫と休みが合わない日は、私にとって、ひとりの休日となる。
久しぶりのひとりの時間。

二人一緒にいることが一番楽しいと感じていたが、久しぶりにひとりの時間を過ごせると思うと、わくわくしている私がいた。
読みたかったあの本を読もうかな、とか、友だちに手紙を書いてみようかな、とか、自分のためだけにおいしいスイーツを用意しようかな、とか、久しぶりに簡単なずぼら飯でお昼を済ませてみようかな、とか、化粧をしないで1日中ベッドで過ごしてみようかな、とか。
やりたいことを考えるだけで、わくわくが尽きなかった。
なくてもいいや、と思っていたひとりの時間が私の心に余裕を生み出してくれた。
なにをしてもいい、でも、なにもしなくてもいい。誰にもなにも口出しされない、私だけの時間……。最高!

今度のひとり休みの日は、食べてみたかったお菓子作りに挑戦しようかな?
それとも、気になっていたカフェに行ってみようかな?
もしも天気が良かったら、カフェで飲み物をテイクアウトして公園でゆっくり過ごすのも気持ちよさそうだな。

結局、なにをするか考えている時間が、一番好きな私のひとりの時間なのかもしれない。