私のちょっとしたエコは、節電だ。
使ってない部屋はすぐ電気を消す、ながら見しているテレビは消し、寂しければ代わりに音楽やラジオをつける。実家にいた頃から、それが習慣になっていた。
学生時代に彼氏と付き合いたての頃、一人暮らしのアパートに行くと電気はつけっぱなし、こたつもつけっぱなし(危ない)。テレビも常に付いているのが当たり前で驚いた。

最初こそ様子を見ていたが、慣れてくると注意したり、自分で消すようにして促していた。うるさかったかもしれないが、付き合って間もなかったので彼も素直に聞いてくれ、旦那となった今では私よりしっかり節電している気がする。

一円を笑う者は一円に泣く。大人になり、母の言葉の意味がわかった

まだ幼かった頃の私は、節電を促す母を「うちがちょっと節電したくらいで、外を歩けばたくさんの明かりが使われているし、環境問題を変えることは無理!ただ毎月数百円の節約になるくらい」と冷めた気持ちで見ていたこともあった。
しかし母は「数百円の節約をバカにすると、数百円に泣かされることになるよ!」と言っていた。
一円を笑う者は一円に泣く。大人になって生活するようになると、生活費が意外とかかることを知り、母の言葉の意味がわかるようになった。

また最近、東京近郊で電力不足が問題となり、使用を控えるように勧告されたことが記憶に新しい。湯水のように使えていたエネルギーにも限界があるのだと実感する。
今は何でも電力に頼っているし、大規模停電になったら困る人は大勢いるだろう。ATM、医療機器、交通網など……お年寄りや赤ちゃんなど、電気が使えなくなったら暑さ寒さで最悪死ぬ場合もある。
こうして考えると、節電は決して他人事ではなく、将来の自分や子供達の生活を守るために必要なことなのだ。

当たり前のようにある資源は、際限あるものだと覚えていることが大切

私がもし自分の子供に伝えるとしたら、ただ節電するということだけではなく、電気が使えなくなったらどうやって暮らすのか、ガスコンロや火のおこし方、ゲームがなくても楽しく遊べる術も併せて教えたい。
こうして考えると、キャンプやグランピングは電気を使わないで楽しめる為、いい勉強にもなるのかもしれない。

現代はIT時代で、何でもスマホひとつで完結する時代だ。私も子供がぐずる時はつい、動画サイトに頼ってしまう。子育てで分からないことがあったら、人に聞くより先にネットで不安事を調べたりしている。でも、このスマホも電力がなければ使うことができなくなるのだ。
本当にインフラが途絶えた時に生き残るには、「電気止まる どうする」と調べることではなく、予備知識としてどんな道具が必要か、どこに行けば必要なものが手に入るかを知っているかだと思う。

便利さ故に簡単に依存してしまう、ネットの世界。常にキラキラとした都会のネオンの光。当たり前のようにあるそれらは、際限のある資源だと覚えていることが大切だ。
一円を笑う者は一円に泣く、コツコツ家族に節約を教えてくれていた母のことを思い出しながら、田舎の田んぼ道の夜空を眺めていた。