嫌だったら逃げていい。でも、転職に踏み切れない自分

私は1度、病休を取っている。
3ヶ月弱のお休みから復帰後、現在まで同じ仕事をしている。
社会人になって3年、転職を考えなかった日はない。
だけど、私は4月でこの職場4年目になる。

2年目でうつ病になり職場で倒れ、睡眠薬が無いと眠れない生活。
「もう辞めなよ」
「他にいい仕事沢山あるよ」
たくさんの人に言われてきた言葉。
私自身辞めたいと何度思ったか分からない。

嫌だったら逃げていい。
我慢しなくていい。
そんな風潮の世の中で、私は辞めることが出来なかった。
いざ転職サイトを見たり、転職エージェントと話してみたり、はたまた面接してみてもどうしても転職に踏み切れなかった。
そんな自分が心底嫌だった。

どうして決断できないの?
どうして踏み切れないの?
ずるずるずるずる決断を先延ばしにしているようで心が重かった。

辛すぎて蓋をしてきた3年間を振り返り、気付いたことがあった

4年目になってから私の気持ちが一変した。
周りに明るくなったと言われる。
何かいい事あった?楽しそうだね、と言われる。
別に仕事が変わった訳じゃない。
何かいい事があった訳じゃない。
だけど、年をまたいでから、私自身穏やかな気持ちになったのが手に取るようにわかる。
長いトンネルを抜けた感覚。
最近は薬の数も大分減った。

この感覚は何なんだろう。
穏やかな気持ちの今だからこそ、今までのことを素直に思い出せるかもと思った。辛すぎて蓋をしてきたこの3年間に思いを馳せた時、私は気がついた。

あの時、私は決断が出来なかったんじゃない。
私は辞めないという決断をしていたんじゃないか。

うつ病になって、薬を飲んでまで行かなきゃならない仕事なんてないのは、その通りだと思う。
仕事が辛くても「辞めるな」なんて、そんなこと友達や大切な人には絶対に言えない。
逃げて欲しい。
だけど私自身、思い返した時、どうしても辞めるという選択肢に踏み切れなかったのは、自分が1番大切だったからだ。

続けたから見えた景色。考えて決断をした自分を褒めてあげたい

あんな奴らのために、なんで私が逃げなきゃいけないの?
あの時、私は心底怒っていたのだ。
身体はボロボロでも、この仕事を選んだ自分の決断まで、そんな奴らのために奪われるのは我慢ならなかった。
そこで逃げたら私は自分自身を蔑ろにしている気がした。
それに、辞めていいって簡単に言うけど、その後のことは誰が保証してくれるの?
結局は誰も助けてくれないくせに。
辛くて泣いて悲しかったあの頃。
あの時、私は誰よりも怒っていた。

そうは言っても、死ぬほど辛かったら逃げればいいと思う気持ちは変わりない。
けど私は私が1番大切で、自分で決めた信念だけは誰にも奪われたくなかった。
そう気がついた時、なんだ私やるじゃん、かっこいいじゃんと、ちょっと嬉しかった。

怒りの感情だけでここまで来れた訳ではない。
3年間という長い時間の中で、出来ない仕事、分からない仕事は無くなり、私を慕ってくれる後輩が出来た。愚痴を言い合える同僚、助け合える同期が増えた。
きっとそうやって長い時間の中で、培ってきたものが確かにあって、それが今に繋がってる。
辛かったら辞めればいい。
確かにそれはそうなんだけど、ここまでやって来なければ見えなかった景色がある。
結果論だと鼻で笑うことはいくらでも出来るけど、そう思えることが嬉しい。

逃げればいい、辞めればいい。
そんな言葉は簡単に言える。
だけどその先に幸せが待っている保証はないから。
ちゃんと考えて、決断をした自分を褒めてあげたい。

まあ偉そうに言ってるけど、いまだに転職アプリを消せない自分がいて、笑える今日この頃。