私には、2つの大きな決断がある。
ひとつは、仕事を休む決断をしたこと。もうひとつは、職場を辞めたことだ。
この2つの決断は、いずれも後悔はしていない。むしろ前向きな決断だと思っている。順に綴っていこうと思う。

真面目が取り柄の私は、ブレーキに足を置いても踏み込めない

仕事を休む決断をしたことは、自分にとって最も褒めてあげたいと思える瞬間のひとつだ。
これまで真面目だけが取り柄で、校則を守り、皆勤賞を取ることだけを目標に学校に通ったときもあった。毎日学校や講義に出席することは、私にとって重要だった。
社会人になっても変わらず、毎日出勤することを私の第一目標とした。当然のことながら、仕事をすれば、体は疲れる。しかし、休日のほとんどをベッドで過ごしていても、疲労はなかなか取れなかった。
もちろん毎日ずっと、というわけではない。波はある。前向きに仕事と向き合える良い波のときもあったが、悪い波にさらわれていく自分の方が圧倒的に多かったように思う。
ストップをかけたくても、自分の意志だけでは簡単に止まれない。車で例えるならば、ブレーキに足をかけるも踏み込まない状態だ。ブレーキを踏めばリフレッシュできるかもしれないが、世間的にそれは甘えで、忍耐が足りなくて、社会人としての自覚が足りないことだという考えが脳裏をよぎって待ったをかける。

こんな状態が1年半続いたとき、私は急ブレーキをかけることとなる。食欲がなくなり、夜眠れなくなったのだ。
さすがにこれはおかしい、ブレーキを踏むべきだ、と注意報と警報を行き来した。何日もその考えは頭から離れず、行き着く答えはいつも同じ。
「今すぐブレーキを踏むべきだ」
私はずっと私にそう叫んでいた。
意を決して、私は上司に退職の相談をした。色々話し合った結果、とりあえず休むという選択肢を使うことにした。

自分が納得できる働き方を探してみたい。退職を決意した

ここから半年間、じっくり自分と向き合い、好きなこと、苦手なこと、チャレンジしてみたいこと、様々なことを感じ取った。時には文字に起こして自分の気持ちを整理することもあった。
この期間で、私の中に1つの可能性が浮かんだ。

それは、「今の本業を副業として使うのはどうだろうか」ということ。
学生の頃は、働く=正社員というシステムに疑いもしなかった。しかし、社会人になると、幅広い世代の大人たちと出会っていろいろな働き方があると知る。
私が大切にしたのは、「自分が納得できる働き方」を探すこと。
先ほど提唱した可能性を実験してみたくもあり、新たに挑戦したいこともできた私は、職場を退職したのである。
これが2つ目の決断だ。
言うなれば、ブレーキを使い徐行し、安全に車庫に駐車した状態と言えよう。

退職をし、あの場所へ戻らなければならないという呪縛から解き放たれた。上司に意向を伝えたときはとてもスッキリした気持ちで、退職日を迎えた日は、新しい風が吹いてきたような、そんな気がした。

経験した辛い過去。しかし、自分のサインを見逃さないで良かった

今は、生活していくための最低限の資金を稼ぎながら、休みも確保できる働き方を作ろうとしている。
正直、収入が少なくなったことで、これから我慢を強いられることも増えてくるかもしれない。それでもあのときに戻りたいとはこれっぽっちも思わない。自分が納得できる働き方は、こんなにも大事なのだと実感もした。
辛い過去だが、同時に経験しておいて良かった、自分のサインを見逃さないで良かった。これをきっかけに2つの決断ができ、今がある。

あの決断があったから、自分の人生について考える時間ができ、新しい一歩が踏み出せた。辛い経験も、むしゃくしゃしたあの思いも、涙なしに過ごせなかったあの日も、すべてがここにつながっていたのだから、今の自分を構成する要素として必要だったのだろう。
仕事を休む決断も、辞める決断も、自分にあっぱれを送ってやりたい。

これからを楽しくするのは自分次第。
今、前を向けたのだから、これからもっと大きな歩幅で歩けるようにしていきたい。
もちろん、自分が納得できる方法で、精一杯楽しみながら。