この記事を書いていたら、「やる気が出ない」ということが、なんだか愛おしくなってきました。その気分をおすそ分け出来たら、こんなに安らぐことはありませんありません。
もし、無気力な自分を責めてしまっているなら、1800字分の時間とエネルギーだけ、いただけませんか。

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ああ、お皿を洗わなきゃ。明日の服装を考えなくちゃ。やり残している仕事を片付けなくちゃ……。
でも、やる気が出ない。通り過ぎようとする期限の重圧に押しつぶされそうで、もっと体が重くなる。こういうときは、どうしたら健康を取り戻せるのでしょうね。
数年前、ヒントとなる言葉に出会ったことがあるので、思い返してみます。

「自分の面倒をみてやること」
好きな役者の方が、恋人とお別れした直後、「落ち込んだと思うが、どう立ち直ったか?」と、心境を問われ、返した言葉。この言葉がずっと、私を鼓舞してくれています。

やる気が出ないときこそ、自分の面倒を丁寧に見てあげましょう。
心と体が元気になる食事。ラベンダーの香りに包まれながらとる睡眠。くじらと、ペンギンと、イルカのおもちゃと入る、バスタイム。

そういった、ちょっとした工夫、自分のテンションを2ミリだけ上げてあげることを、生活に取り入れられると、健康な精神を取り戻せるような気がするし、100%できない自分も、20%でも十分素敵、100点満点って、思えるようになってくるのです。

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ここで少し、ネガティブが特技だった頃の話をしましょう。

人生の多くの時間を使って、私は、やる気を出さない自分を責め続けてきました。
起きる気力が無い、勉強のやる気が出ない、元気であるモチベーションが沸かない……。
「無気力」「何もしたくない 対処法」……同じことを、一日に何度も検索する日々。
中学生の頃から、現在まで、毎日というわけではないけれど、1年の4分の3はこんな調子です。
この記事を書いている今は、たまたま、調子が良いのかもしれない。もう少し経ったら、また、世界の刺激の強さに疲弊して、やる気の出ない自分を責める日々が、訪れるかもしれない。そう考えると、恐怖が襲ってきます。

でも、今度そうなったら、次のような許可を与えてやろうと思っているのです。
いいよ、やる気を無くしてしまいなさいよ、オフにしてしまいなさいよ、と。
そうすると、「自分の面倒を丁寧に見る」ことが、できそうな気がしていて。やってみよう。むしろ、わくわくしてきました。
無気力、どんとこい。仕方ないから、仲良くしてあげましょう。

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私たちには、やる気が出ないことが多い分、“やる気”なんて気にしなくても、夢中になっていることが、私たちだけが知っている心地よさが、いつの間にか朝になっている夜が、ありますよね。
私にとってのそれは、文章を書くこと。生地屋さんで、次に作りたいお洋服や、新しいコーディネートの、インスピレーションを得ているとき。DJをするときに、かける曲を探すこと。レコードをかけながら、お香を焚いているとき。珈琲と煙草の味わいを、贅沢にかみしめること。自由ってなんだろうって、考えているとき。踊ったり、手足を伸ばしたりして、肉体を解放してやること。被写体として、カメラの中で世界を創っているとき。映画を見ながら、登場人物の感情の変遷に、思いを馳せること。好きな人の、デッサンをしているとき。

もちろん、これらを始めようとしても、腰が重いことだってたくさんあります。

でも、Aがだめなときは、Bへの感度が高まっていたり、ベッドの中で優しい毛布と友達になって、いつの間にか眠っていたり、泣き真似が、次第に涙を連れてきてくれていたりするのです。

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自分を責めなければいけないときなんて、ないのよ、きっと。やる気のない私を、あなたを、責める人がいるかもしれないけれど、責めたがりさんには、責めさせてあげましょう。きっと、趣味なんです。それか、同時に自分を責めているのですね。

どうして、やる気を出したいのか。やる気を出して、したいことはなんなのか。やる気を出さなければ、できない理由は、なにか。私に、今、必要か。
焦る前に、責める前に、自分とお話してみても、いいかもしれません。必要だと思ったら、自然に出てきますよ、やる気。だって、あなたを幸せにするために、必要なことだと思っているのでしょう?。それを、改めて、自覚させてやればいいのです。

無理にやる気を出さなくたって、いいじゃないですか。やる気を出さなくてはできないことは、やる気を出さなくてもそれができる人に、任せましょう。他の人の仕事を奪っちゃ、かわいそうじゃないですかですか?任せてあげましょう、ね?

あとは、手放す勇気を持つだけ。わがままになりましょう。