学生時代よりも、社会人6年目になった今のほうがよく集まる。私にはそんな友人たちがいる。

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「いつも一緒にいるメンバー」という意味の「いつメン」からとり、「いつめんず」と、私たちのLINEグループにはそう名前がついている。
よく「めんつ」と私は呼んだりもしているから、ここは「めんつ」と呼ぼうと思う。
めんつは私を含め全員で7人。みんな女子だ。

めんつと出会ったのは高校1年生の時。
最初のめんつのメンバーと仲良くなったきっかけは、好きなアーティストが同じだったということ。
ファンクラブ会員しか持っていないキーチャームを、彼女はケータイにつけていた。
「もしかして好きなの?」と声をかけた記憶がある。それがめんつの生まれたきっかけ(だと思う)。

その後もめんつのメンバーは拡大していき、最終的に今の7人に落ち着いた。
どのような流れでこの7人になったのか、私としては未だに謎なところもある。
部活動も出身中学も好きなこともバラバラ。
どの糸がどう絡まって固く結ばれるかわからない。それが人生なのかも。

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めんつで初めて遊んだのは、おそらく1年生の夏休みに行ったオープンキャンパスの帰り。
7人全員は揃ってなかったが、「初メン♡」などと落書きがされている5人が写ったプリクラが、今もクラウドに保管されている。
2年生に進級する直前の3月。その頃初めて全員揃ってカラオケに行った。
その時のプリクラも残っているから恐ろしい。
その後2年生、3年生と進級していくにつれ、クラス替えや部活もあり、めんつと遊ぶことが少なくなってきた。そしていつしか私たちは高校を卒業した。

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高校を卒業し、それぞれ大学に進学した私たち。大半は地元の大学に進学したが、何人かは県外の大学へ進学した。
大学生になってからも、県外進学組が帰ってくる長期休暇のタイミングでよく集まっていた。
そしてあれよあれよといううちに大学も卒業し、私たちは社会の海へ放り出された。
地元を出て就職をした人、地元に戻ってきた人、県外にそのまま就職した人など、7人7様の就職状況だ。

社会人になって初めてめんつで集まったのは、就職してすぐのゴールデンウイーク。
県外就職組も何人か帰省して、全員ではないが集まることができた。
その時以降、2~3か月に1度の割合で、私たちは集まるようになった。
主に集まるのは、私を含む地元に残った組4人。
そこに、長期休暇などで帰省した県外就職組が時々参加する、というのが私たちのやり方だ。
7人ともなると、なかなか全員が一度に集まることが難しい。
まして社会人ともなると、働き方もみんなバラバラなので休みも合わせづらい。

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そんな中でも、1年に1回お泊り会をするのも私たちめんつのやり方。
ある年はラブホテル、ある年は温泉旅館、またある年はゲストハウス。
まあいろんなところに泊まったものだ。

行きたいところ、やりたいことの方向性がだいたい一緒なのも、私たちめんつクオリティー。
「大人の遠足」と称して科学館や遊園地へ遊びに行ったこともある。
ある時はウィスキー工場に工場見学をしに行き、まさに「大人の社会科見学」をした。
いつどこに行っても、なにをしても、めんつで集まったらすぐ高校時代に戻れてしまう。

コロナ禍になり、なかなか集まりづらくなったここ数年でも、私たちはオンラインで集まっている。
アウトドアよりもインドアな人たちが集まっているので、もっぱらゲームをして過ごす。そして時々飲み会も。
ある時は宇宙人狼のゲームをして、またある時はお絵描き伝言ゲームをした。
お絵描き伝言ゲームでは迷(?)作がよく生まれるので、各自お気に入りの絵をSNSのアイコンにしている。
行きたいところ、やりたいことが出てくると、軒並み「めんつと……」と思ってしまうあたり、実質めんつは私の恋人なのだろうとも思い始めている。

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めんつと出会って、今年で干支が一回りしたらしい。
学生時代よりも社会人になってからのほうがよく集まれるメンバーって、そういないんじゃないかと思う。
「この子たちに出会えたのって、きっとつなにとって財産なんだろうね」と母親に言われたことがあった。
その通りだと、最近つくづく思う。
結婚、出産、転職、さまざまな人生の選択が迫られる年齢になった私たち。
その中でもこうやって10年以上つるんでいられている、この事実に私は感謝をしたい。

さあ、次はめんつで何をしようかな。
そんなことを思いながら、それぞれ「社会人6年目」に擬態をして過ごすことにしよう。
そして次集まるときには、また高校時代に戻って思い切って楽しむことにしよう。