看護師として働いて8年、結婚して気づけば3年目になる。結婚を機に引っ越し、転職した。
社会人になってからひとり暮らしを始め、自由な時間とお金ができて仲の良い友人と仕事後は遊んだり勉強したりと日々充実していた。
学生時代から付き合っていた彼とは遠距離恋愛を数年。結婚の話が出たときには都会での便利な暮らしももう十分、田舎暮らしもいいかもななんてワクワクしていた。
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いざ引っ越してみると、新しい仕事と環境の変化で無我夢中で過ごしていたものの、気づけば自分を出せなくなっていた。急にひとりぼっちになったような気がして、心を無にして仕事に向かって、気づけば笑えなくなっていた。
ふと鏡を見て、「もう疲れた」とつぶやいた途端、涙が止まらなくなった。
夫には心配をかけたくなくて布団に潜って泣いたこともあった。今思うと週に1、2度は泣いていて情緒不安定な状態。
どうして私ばかり我慢しないといけないんだろう。全部捨てて嫁いできたのに。ぶつけようもない思いで心はぼろぼろ。夫は何も悪くないことはわかっている、そのつもりなのに……。
生まれてはじめて、心の病気なのかといろいろと調べていた。
そんなとき夫はいつも寄り添い、声をかけてくれていた。
わたしは自分のできることをしようとなんとか奮い立たせて過ごす毎日。必死過ぎてどう過ごしていたか思い出せないくらいに。
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そんなとき気づけば生理が遅れていて、身体がぽかぽかする。なんだかいつも以上に眠たいのに気づいた。生理予定日から1週間を待ち、検査薬を使うと陽性反応が出た。
ふたりで手を取り合って喜んでいたのも束の間。その夜に激しい痛みと出血があった。嫌な予感のまま産婦人科に行ったが、赤ちゃんはお空に戻ってしまっていた。
目が腫れるほど泣いて、わたしはそんなに強くないのに、もう頑張れないと神様を少し憎んだ。
あの日のことを思うと今でも胸がチクリと痛むけれど、時間とともに少しずつ気持ちが落ち着いて、気づけたことが沢山ある。
子どもを失う辛さと妊娠、出産することの奇跡。
そんなに無理しなくても大丈夫。自分を大切にして周りにも時々甘えてもいいんだ。
自分の事のように心配し、思ってくれる家族がいることがすごく温かくしあわせだと思える(あの夜も一日寄り添いお腹をさすってくれて、診察の日は早めに仕事から帰って家事も全部してくれていた。枕元には着替えのパジャマまで添えてあった(笑))。
あんなに苦しく思っていた気持ちがすっと軽くなるのを感じた。
一つ一つの出来事には意味があって、そのたびに強くなれる。
過去でも未来でもなく今に目を向けて、できることをふたりで楽しみながらしていきたい。自分のこころと身体を大切にしながら。
何気ない毎日のしあわせを噛み締めて、やっと自分らしく過ごしている。
あの頃のわたし、ありがとう。きっともう何があっても大丈夫、そんな自信がついた。