昨年の秋、2年ほど付き合っていた彼氏と別れた。彼とは結婚できないというのが大きな理由だった。その後、毎週新しい人と一人会うという定量目標のもと、合コンやマッチングアプリにいそしんだ。婚活をはじめて1カ月ほどたった時、世界で一番大好きになった人と出会った。

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当時、私はすでに彼以外に2人候補がいて、一人は次会う時は付き合うことになるだろうというタイミングだった。アプリ経由で出会った彼は、写真や電話の雰囲気から、絶対にヤリチンだと確信していた。しかし、もうすぐ彼氏ができるだろうということで、ある意味最後の夜遊びとして、ヤリチンを承知で会った。
きっと遅れてくるだろうなと思っていたのに、彼は私よりも早く店に入っていた。遅れてくると思ったと言うと、ここで遅れたら立場悪くなるからと微笑した。多分この時、もう恋に落ちていた。

コロナ関連の規制が明けたばかりということもあり、久しぶりに外で飲むお酒にかなり酔っ払い、気付いたら彼の家にいた。当然、体の関係を持った。やってしまったと思いつつ、話が止まらない彼との時間はとても楽しくて、そして胸が高鳴った。
お昼を牛丼チェーンで食べた後、駅まで送ってもらった。最後、別れる時に、楽しかった?と少し不安気に聞かれ、また遊ぼうねと笑顔で返した。あぁ、彼が好きだと帰りの電車でニヤニヤした。

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その後、2回目のデートはプラネタリウムに行き、居酒屋で飲んだ後は、飲みなおすという名目で彼の家に行き、再び関係を持った。なんとなくタイミングをつかめたのか、2回目の方が良かった。付き合うとか、真面目な話はしていなかったが、もうこれは行けるだろうと自信があった。名前を呼んでくれないこと、好きとか可愛いとかの言葉がないことは気になったけれど。
ゴールイン間近だった人とのデートの前に、迷いに迷いながら告白をした。かなり早いタイミングだけど、付き合う気があるかどうかということを。そうしたら半日ほど経った後に、気が合うし一緒にいる時間は楽しいが、すぐに結婚する気がないから付き合えないと言われた。やっぱりなと思った。だけど、一生さよならは嫌だったから、友達として会ってくださいといったら、快諾してくれた。

彼氏になるだろうと思っていた人と改めて会うと、振られた彼との時間と比べると退屈で、付き合うという話が出る前にそれとなく断る雰囲気を出して終わらせた。もう一人の候補の人は条件的には良かったが、フィーリングが時々合わなくて迷っていた。そんな時、彼から連絡が着て、久しぶりに会うことになった。お昼は彼、夜は候補の人というスケジュールになった。

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振られてから1カ月ほどたっていたこともあり、ちょっと照れくさいのと、ぎこちなさがあったが、すぐに打ち解けた。ランチの後は彼の買い物にも付き合い、疲れたからファミレスでパフェを食べた。正直、この後の予定は憂鬱だと話したら、じゃあつまらなかったら飲みなおそうと言われた。やっぱりヤリ目なんだなと思いつつも、彼とまた飲めるのが嬉しくて、私は具合の悪い振りをして夜の予定をすぐに切り上げた。
案の定、彼の家に行き、行為をした。パーソナルな部分の話も少しずつ知り、ますます彼のことが好きになった。婚活を続けつつではあったが、クリスマスイブは彼と過ごした。それは今まで過ごした中で一番楽しい聖夜だった。そこから、私たちは世間でいうセフレの関係になった。

彼をもっと知りたい。彼に振り向いてもらいたい。だから、彼に似合うためにたくさんの努力をしようと、私は婚活を中断することになる。
彼が前髪があった方が可愛いと言うから、のばしていた前髪を切った。吉岡里帆が好きというから、メイクを研究した。元カノの腹筋が割れていたと言っていたから、ジムに週4で通った。すっぴんに自信が持てるようにと美容皮膚科にも通った。恋の力というパワーはすさまじく、私は彼のおかげで美しくなっていった。

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この恋は私の人生の中で一番熱量が高く、最も愛が強い。彼のことはすべて好きだった。連絡が遅くて不安になることも多いが、そのスローペースですら不器用で愛しいと感じてしまう。心が折れることがあっても彼から連絡があったら嬉しいし、彼と会うと思うと心が躍る。こんなにも生命力が溢れている瞬間は今までなかった。だから、いまだ振り向いてくれないセフレに、全力で人を愛すことの素晴らしさを教えてくれてありがとうと言いたい。