基本的に私はマイペースだ。
お恥ずかしいことに、マイペース故にかもしれないが、自分がマイペースな性格だということに、他人から指摘されるまで、自分では気づいていなかった。
社会では、秩序をもって動くことが求められるので、人に迷惑をかけていなかったのか、誰かを待たせていることに気づかず、イライラさせてしまっていなかったか、不安になった。
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出社日の昼食は、会社のチームメンバーで取っている。
会社の食堂に行ったり、外に食べに行ったりと、食べる場所は違えど、大抵最後まで食べているのは私だ。話題の中心にいて、箸が進められないわけではなく、むしろ聞き役に徹していても、一番最後になってしまう。
単純に食べるのが遅いのだ。
食堂で、フランス料理のコースを食べているわけではないので、相手の食べるスピードに合わせるマナーはない。
むしろ、日本企業では担当層の私が上司の食べるスピードに合わせるのが、マナーなのではないかと思っている。
もう食べ終わったチームメンバーを待たせてしまっている罪悪感から、喉がつまりそうになりながら、一生懸命咀嚼する。
きっと次の出勤日の食堂でも、ひたすら話を聞いて、相づちを打ちながら自分なりの早食いに奮闘することだろう。
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また、日曜日の夜に、急に飲みに誘われることはプチストレスだ。
日曜日の夜でも、あらかじめ約束をしているときは問題ない。開始時間を早めにして、遅くなる前に解散できる。
しかし、当日の夜にお誘いいただくことがたまにあって、もやもやしてしまう。
化粧を落とし、コンタクトを外した状態のときに、「今何してる?飲みに行かない?」と連絡が来たときは、申し訳ないが9割断っている。
やり残した家事があったり、次の日の朝が早くて早めに寝たかったりと、着替えて出かけるのが億劫であるというのが本音だ。
お断りすると、「1杯だけ飲もう」と再度お誘いが入ることもある。
そういう風に言われて、1杯だけしか飲まなかったことなどない。その場の空気に飲まれて、深夜になるまで何杯も楽しんでしまう。
誰かと会って、話し始めると楽しくなってしまい、すぐにはお開きにできない。
そのような経験から、どこかへ出掛けていたり、もう寝ていたりするわけではないので、心苦しさを感じながら、日曜日の夜のお誘いは、お断りを続けてしまっている。
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他人との交流を避けて、日曜日の夜のリラックスタイムを、守りたいだけではないかと指摘されても、その通りだと頷くしかない。
独身だからこそ、自分の生活のペースを守ることができていると思う。
他人との生活が始まったら、自分のペースを守ることは難しくなり、同棲を始めたら、子どもが生まれたら、自分軸で動けなくなることは明確だ。
雑な言い方かもしれないが、生活リズムが強制的に変わる練習だと思って、周りへの気配りを強化して、自分以外のペースを乱さないことを心掛け、そしてフットワークを軽くして、もっと周りの人と、良好な関係を築いていきたい。