夫のことが、大好きだ。
過去の辛かった恋愛の呪縛から救い出してくれたし、何からも守るように優しく包んでくれる。
私にとって、人生で1番運を使ったのは、きっとあなたとの出会いだと思う。

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だけど、付き合っている時からあなたが話す"元カノ"の存在。
ただの昔話って言うけれど、その話のどれもが幸せそうで、楽しそうで、愛しそうで……。
「これ、元カノの写真。俺より6つ下だったんだよ」
何でまだ、写真を大事そうに持ってるのだろうか。
私は年上だよね。本当は、年下が良いのかな。

一緒に暮らそうと言ってくれて、引っ越したのはあなたの部屋。女物もまだ多くて、元カノの私物だと、直ぐに分かった。
内見の時の動画も見せられてさ、映ってるんだよね、元カノと楽しそうにはしゃぐ姿も。
その家に帰りたくないと、何度も何度も、泣きそうになりながら友達に電話して、落ち着いてから扉を開けていた。
それでも、結婚しようと言ってくれた時は嬉しくて幸せで……。

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だけどね、元カノの話をしている時のあなたは、私に向けたことのない顔をする。
何度も何度も言い聞かせた。仕方がないって。それだけその人と過ごしてきた時間が幸せだったのだろうから、今の私には、まだその時を超えることは出来ないのだからと。
本当に今未練がないから話せたのだとしても、私の心は聞くたびに擦り減る。
自信なんてもう無いし、今私と一緒にいることを不思議にすら感じてしまう。

新婚旅行の行き先で喧嘩した時も、きっかけはまた、元カノ。
「だって、元カノの居る所にわざわざ行きたくないでしょ?」
今は他県にいるって言ってたね。元カノの痕跡があるところは、会う可能性のある場所には、絶対に行かないあなた。

いやでも分かるよ。思い出すのが、会うのが、辛いんだよね。
それでも、大好きだから。信じたい。
私が奥さんだから。私を大事にしてくれているのは本当だと感じるから。
いつか、きっとあなたの1番になれる日が来るって。

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結婚の挨拶に行った時に、あなたの家族には元カノと比較もされた。私の方が良いと言ってくれたけど、なんか、モヤっとした。
会わせてたという事実と、本当は認めてもらってないのではないかという不安が凄くて、逃げ出したくなった。

信じたいと思えば思うほどに、何か起こっては、気持ちが崩れそうになる。
メンヘラだなんて世の中では言われるかもしれないけど、メンヘラと呼ばれている人たちは愛情が強いってだけだ。そうさせる相手が、環境が良くないと思う。
子どもも生まれる。だけど、帰ってくるとご飯を食べて、お風呂に入って、後はずっとゲーム。話す時間はほぼ無いし、一緒にいる時間の方が寂しい。
安心してくれているからこその今だと思うけど、どうしても元カノと結婚してたら、ゲームよりも一緒に居る時間を大切にしていたのかなって考えてしまう。

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私じゃ、いけなかったのかなって。
だから、ごめんねっていつも心の中で謝罪するの。私でごめんねって。
あなたの1番になりたいです。
でも、その日はきっと来ません。
私はもう、諦めたいです。
一途に思ってくれることを。
1番になることを。
こんな皮肉な考えしかできないことを、許してほしいです。