彼女のことを、“シスターフッド”と呼ぶのは恐れ多いかもしれない。だけど、昔から
尊敬の念と、強いつながりやシンパシーを感じている。私より、10歳近く年上の女性、
E先生だ。
彼女との関係性を説明しようと思うと、難しい。先輩、年上の友人、違う。先生って呼んでいるけど、先生、生徒とはちょっと違うような、不思議な縁でつながった関係。

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彼女との出会いは、今から15年以上前。中学受験のためにはじめて通った塾で、私に算数を教えてくれた女性だ。
その時は「お姉さん」のように感じたが、彼女も当時は大学3、4年生だったかと思う。柔らかい雰囲気で、どこか都会すぎない素朴な感じ。まだ小学生の私でも「あの有名大学か」と分かるくらいの大学に通っていて、尊敬できる憧れの年上のお姉さん、といったイメージだった。
勉強だけではなく、自分の家族のことや、大学生活、これまでの学生時代の話等、いろいろ話をしてくれた。彼女が通っていた学校が、私の中学受験の志望校の1つだったこともあり、親身になって、いつも応援してくれる存在だった。

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偶然にも、E先生が通っていた中高一貫の中学校に通うことになった。私が入学して間もなく、E先生は社会人になり、塾を卒業した。それからもよく気にかけてくれて、まだLINEもない時代、Eメールで連絡をくれた。E先生も仕事の都合で、地方に転勤になり、直接会うことは頻繁にできなかったが、塾の近くのデニーズで、パフェを御馳走してくれたこと、すごくよく覚えている。

時は経ち、私も高校生となった。社会に出てしまえば、いろんな世代の上司や、同僚がいて、共に仕事をする。ただ、子どもの時は、普段自分と歳が離れた人なんて学校の先生しかいなくて、E先生の存在や、彼女の話は当時の私にとって(もちろん今もだが)非常に影響力があった。
私はE先生の通っていた、「あの有名大学」に行きたい、となった。ただ、高校生になってからはE先生とも連絡をとることは少なくなり、晴れてその大学に入学が決まったときに報告をした。確か、お祝いでイタリアンに連れて行ってくれた記憶がある。
E先生から彼氏の話とかがでると、どこか置いていかれたような気持ちに、勝手になって寂しくなったりしたなあ。

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そこから就職活動、社会人になってからも、何か迷ったことがあると、E先生にLINEをした。仕事のこと、彼氏との将来のこと。彼女はいつも、一度「読んだよ」と返事をくれたあと、後で考えて返事をするね、と言ってくれる。
自分の過去の経験を話すより、「こうするのが良いのではないかな」とか「自分で決めたことなら後になって良い選択だって思えるよ!」とか、一緒に考え、共に乗り越えようとしてくれる存在だ。もちろん、E先生も気にかけてくれて、「元気?」「その後どう?」とか、度々連絡をくれる。
E先生も、今は子どもを育てる一人のお母さん。「今、こんなことに悩んでいてさ~」と、自分にもやってくるかもしれない人生のその先を見せてくれる。

もともとは、先生と生徒の関係。といっても、今考えたら当時E先生はアルバイトで、その教えている子のひとりにすぎず、本当の先生ではない。一緒に学生生活を共にしたことはないけど、同じ中学校、高校、大学の先輩でもある。
少し関係を説明するのは難しい、ちょっぴり不思議な関係。だけど、どこか不思議な縁でつながっている10歳近く年の離れたわたしたち。人生の中で何か迷い、親にも説明し難いこと何か困ると、聞いてみようかな、と思い浮かぶ存在、それがE先生。

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最後に、E先生とのエピソードで印象深いものがある。
結婚なんて別にしなくてもいいんじゃないかな~、と漠然と思っていた、まだ大学生の私に、旦那さんを会わせてくれたE先生。結婚ってこんなものなんだよ、って知ってもらいたくって、と。
いつまでも、先生のように、先輩のように、姉のように、彼女は私の先を歩いている。不思議な縁でつながった、わたしたちの関係はきっとこの先も続いていくし、私は彼女をこれからも追いかける。