結婚を機に引っ越した私は、新居からは遠いので通っていた脱毛サロンを退会した。ほとんど気にならないレベルには脱毛の効果はあったが完了した訳ではなく、たまに手入れが必要なほどであった。

その時は正社員で働いていたが退職をした後で、パート勤務だった。通える範囲にも脱毛サロンはあったが、すでに脱毛に20万円ほどかけていた。
初めから痛いのを承知で医療脱毛にしていたら恐らく完了していただろうと思う。だが契約をした時は安さと痛みの少なさを優先した為、いまだに完了出来ていない。さらに新しい契約をするかも迷ったが止めた。

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コロナ禍も相まって“おうち美容”の傾向が高まって、家庭用脱毛器も種類が増え、手に取りやすくなった。パート勤務の為、月収は頑張った月で9万円ほどだった。家庭用脱毛器は7万円くらいだった(今のモデルだと機能は良くなって価格が下がっているので少し悔しい)。
少し迷ったが買ってしまった。その後はそれと気づかれないように巾着に入れて、自分のスペースで保管している。

夫とのお金の管理は、生活費は夫持ちでお小遣いなどは自分持ちだ。たまーにボーナスと称してお小遣いをくれるときもある。
私は結婚した当初、“貯金”が一番と考えていて、身の回りの物を我慢していた。だが夫と暮らすようになり、“今”の自分の為にもお金を使っていいと意識が変化した。
夫はお金の管理が苦手で、昼食はほとんどコンビニで休みの日には車をいじっていたのでなかなか貯めるという意識がなかったらしい。揉めたこともあったが、今昼食は職場で安く済ませられるようになり、自分の趣味と副業がマッチしてほとんど自分にかけるお金が減っている。

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家庭用脱毛器以外にも内緒で買った物がある。以前から憧れていたブランドのトートバッグだ。
何年も、何度も迷っていた。トートバッグだと3,000円も出せばそれなりのものが買えるが、これは18,000円だった。約2万円、子どものオムツが何パック買えるだろうかと計算しかけたが、やめておいた。マザーズバッグとしてほとんど毎日使っていて、大好きな柄で憧れていた物を使えるので嬉しい。
夫にはいくらだったとは告げずに「買っちゃった」とだけ伝えた。「ここでいくらだった?」とは聞いてこないのが夫の良いところである。高かった買い物だったが、日々をご機嫌に過ごせるならいいかなと思える。

真逆だったお金の価値観が、なんとなく2人の真ん中くらいにバランスが取れるようになったと思う。以前よりもお金のことで揉める事は格段に少なくなり、むしろ夫の方が計画的になった気もする。
一緒に暮らし始めた頃、夫のテンションが下がるくらいにお金の使い方についてあれこれ言った事があった。内緒で買った物達について夫に言われたら返す言葉が見つからない。このまま内緒にしておこうと思う。

この前、夫がお財布を買い替えようとしていたのでプレゼントした。「なんで買ってくれるのか?」と不思議そうだったが、これで私の内緒の買い物分をチャラにしたつもりでいる。
夫婦とはいえ、こういう内緒がある方が上手くいくこともあると思った。