将来の夢がある。それは高校生までの期間限定の夢。その思いを両親に打ち明けた時は、今までで一番勇気を出した。
私は幼いころから根暗というか、すごくおとなしい性格で、中学まで誰かの陰に隠れて生活していた。
でもある日、私にとって転機が訪れた。それは高校1年生の冬の時期だ。

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実は中学3年の時から自分の夢を打ち明けたいと思い始めていて、それを言う機会を見計らっていた。そしてその時期が訪れた。
夕食の準備を手伝っていた時のこと。なぜか急に涙があふれていた。それは親に将来の夢を打ち明けられない苦しみだったのか、これ以上自分の心の内に秘めておくことができなくなったのか、わからないけれど、その日は泣きまくった。
そしたら母が心配して私の話を聞いてくれた。私の夢を話すと、母は応援してくれた。その時、勇気を出して打ち明けてよかったと思った。

それから夢をかなえるために何事にも積極的に取り組んだ。そこで私の一番の弱点というか、短所を克服しなければいけないと思った。
それはメンタルを強くすることだ。
私は子供の頃を思い返してみても、常に泣いている自分しか想像できない。怒られているわけじゃないのに注意されただけで泣いていた。一度、あまりにも泣きすぎるので、何かの病気ではないのかと疑ったこともある。

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高校時代は、午前中は学校、放課後は習い事の毎日が続いていた。
私の高校生の思い出は習い事しかない。友達は放課後遊びに行ったり、部活動をしたりなど高校生活を満喫しているのだなと思うと辛かった。だけど、習い事で辛いことがあったら、友達はこんな苦しみは絶対にしていないだろうなと、一人マウントをとって乗り越えていた。
気づけば高校卒業。私の夢も終わった。ここに投稿しているということは、私の夢は叶わなかったということ。だけど今思い返すと、あの時両親に夢を打ち明けることができて、夢に向かって挑み続けることができて本当に良かったと思っている。

ほんの少しの勇気で人生は変わる。これは本当だ。たとえ、夢が叶わなかったとしても夢に向かって挑戦する過程が大切で、それは自分にとって大きな財産となるのだから。
今の私ならまた新しい夢に向かって歩き出すことができる。夢を打ち明ける勇気もある。
よく大人が、若いうちに壁にぶつかった方がいいという。私もそう思った。社会に出る前に困難なことを経験しておく方が、社会に出た時、もっと困難なことがあったとしても乗り越えることができる。辛い経験を積んだ人の方が、将来幸せになりそうだとも思うから。辛い経験をすれば、人に優しく接することができる、相手を思いやる心が表れると私は思う。

勇気を出して何かを物事に取り組んで、成し遂げた時、それは自分にとっても相手にとっても大切なものとなる。ほんの少しの勇気を多くの人に出してもらうためにも、勇気を出しやすい環境づくりを整えるべきだ。
勇気が出せないのであれば、自分でその環境を作る。そこから始めて行くのが、最適だ。