SNSでのやり取りからスタートした初めての恋人と付き合って、1年を迎えようとしている。

遠距離恋愛をスタートさせてからというもの、辛い就職活動を共に乗り越え、互いの誕生日を会って祝い、初めての2泊3日旅行をし、手紙でのやり取りもするなど充実した日々を過ごしている。
LINEでのおはようとおやすみ。質問が毎日届くアプリも使って、日中連絡を取らないことで生じる寂しさを埋めている。どんなに忙しくてもきちんと連絡をしてくれる彼には感謝してもしきれない。

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幸せで、楽しくて、大好きで、ずっとずっと一緒にいたいと心からそう思っている。でも、そんなぬくぬくとした、ほわっとした気持ちとはまた別に、「将来への漠然とした不安」も私に付きまとっている。

彼と会う前日に身体のメンテナンスのために訪れたマッサージ店で、こんなことを言われた。
「学生時代に付き合ったカップルの9割が、社会人になって別れるらしいよ」
その言葉が脳内で処理され、「学生時代に付き合ったカップル」は「私たち」で、私たちは「社会人」になる……別れるのか…?と、思考がまとまった瞬間に気分がどん底に落ちた。

今でこそ、彼の世界は、ほぼ学生時代に知り合った人だけで構成されている。
でも、社会人になったら?彼の就職先はかなりの大手だし、職業柄多くの人と知り合う。今よりもぐっと世界が広がる。私よりも経験を積んだ素敵な大人の女性もたくさんいるだろうし、愛嬌のあるかわいい後輩も彼になつくだろう。

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……まずい。ふわふわお花畑で、「ずっと彼と一緒にいたい!」だけで埋め尽くされていた脳内に、どす黒い暗雲が立ち込める。
たしか、某小学生向けアニメでも、「ずっと一緒にいようね」という約束をすることの難しさについて描かれていたっけ。女の子が男の子に「ずっと一緒にいようね」と言うと、男の子が「ずっととは言い切れない」というようなことを言っていたような。今思うと残酷すぎるくらいに現実だ。

広がるのは彼の世界だけじゃない。私の世界も今よりもっと広がる。とっても素敵な人に出会うかもしれない。何が起こるかはわからない。
そのとき、私たちは、お互いを必要としていられるのか。依存は良くないけれど、お互いを必要としなくなったら、それはもう……。

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今夜、彼にこの思いをLINEで伝えてみようか。いや、電話で伝えようか。でもやっぱり、直接会って、話したい。でも、次会えるのは2か月後だ。

SNSでつながる私たちにとって、その「つながり」はなくてはならないものだけど、
大事な話をしたいときには何だか物足りない「つながり」だ。
今は告白もLINEで済ませてしまう世の中だというけれど、SNSで伝えるのは何だか勿体ない。そう感じてしまうのは不自然なことなのだろうか。

私は直接伝えたい。だから、直接彼に不安を打ち明けて、一緒に解決策を探していこうと思う。SNSがなければ私たちは出会っていなかったけれど、「リアル」はきっと、もっといいものだ。