「誕生日おめでとう!」
12月24日が誕生日の私にとって、幼い頃、クリスマスといえばこの日だった。
0時に送られてくるメッセージ達を遡り、今年もため息をつく。

付き合っていた頃からそうだった。
当時高校生で、部活で会えなくて内心泣き喚いていた私は、当日スマホに張り付いて彼の言葉を待っていた。
夜になっても鳴らない通知音に、忘れてるのかな、でもこっちから催促するのは違うよな、でも、でも……と悩み抜いた末、私は考えるのを放棄してふて寝した。

その朝、起きて一番にスマホを開くと、「遅くなってごめん、誕生日おめでとう」と一言。
単純な私はそれだけで舞い上がって、
「もうクリスマスだけどね!ありがとう!メリクリ!」
と、そんな感じのことを送った。

彼が私にとってのサンタだった。
彼の言葉が私のクリスマスを連れてくる。
それは今でも変わらない。

別れてからも続く「誕生日おめでとう」のリレー。
いつ来なくなってもおかしくないメッセージを、私は一日中待っている。
そして明日になれば、待っていない風を装って、「ありがとう。そしてメリークリスマス!」と送るのだ。