彼からの「誕生日おめでとう」を待ちわびる。クリスマスはその後に
デビュー50周年を迎えたユーミン、丸ビル20周年、新丸ビル15周年を祝う「Marunouchi Bright Christmas 2022~YUMING 50th BANZAI!~」とのコラボ企画です。通常募集時の1500字程度よりも短い180~500字程度のエッセイとなります。
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「誕生日おめでとう!」
12月24日が誕生日の私にとって、幼い頃、クリスマスといえばこの日だった。
0時に送られてくるメッセージ達を遡り、今年もため息をつく。
付き合っていた頃からそうだった。
当時高校生で、部活で会えなくて内心泣き喚いていた私は、当日スマホに張り付いて彼の言葉を待っていた。
夜になっても鳴らない通知音に、忘れてるのかな、でもこっちから催促するのは違うよな、でも、でも……と悩み抜いた末、私は考えるのを放棄してふて寝した。
その朝、起きて一番にスマホを開くと、「遅くなってごめん、誕生日おめでとう」と一言。
単純な私はそれだけで舞い上がって、
「もうクリスマスだけどね!ありがとう!メリクリ!」
と、そんな感じのことを送った。
彼が私にとってのサンタだった。
彼の言葉が私のクリスマスを連れてくる。
それは今でも変わらない。
別れてからも続く「誕生日おめでとう」のリレー。
いつ来なくなってもおかしくないメッセージを、私は一日中待っている。
そして明日になれば、待っていない風を装って、「ありがとう。そしてメリークリスマス!」と送るのだ。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。