「友達多いよね」
社会人になってからそう言われることが増えた。
小中高大と同じ学校の友人が少なかったこともあり、単純にこれまで知り合ってきた人数は多い。しかし、それ以上に私と周りとのつながりが続いているのは、SNSがあることが大きいと思う。

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私がSNSの重要性を実感したのは、高校入学の時だ。
当時はまだmixiなどが主流で、スマホも徐々に増えていた時代。しかし、一部の女子たちの間ではしっかりと活用されていて、入学時には同じ中学出身でなくても知り合いがいる人が多かった。同じ中学出身の友人とはクラスが分かれてしまった私は、いかにスタートダッシュが大切であるかを実感した。

時は流れ3年後。指定校推薦で一足先に大学進学が決まった私は、Twitterで友人づくりをすることにした。
進学先は女子大のメディア系学科。同じことを考える人は多く、入学するまでには学科の何人かと知り合うことができたし、結果として大学の4年間を一緒に過ごす仲間ができたきっかけになった。

県外の大学に進学した私だが、SNSがあったから中高の友人との連絡も続いた。
帰省する時は簡単に連絡が取れたし、誕生日や記念日などのお祝いも手軽にすることができる。メッセージの止め時がわからないのはたまにキズだと思うが、SNSがない生活だとしたら、今の自分の友人関係は形成できていないと思う。

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周囲から遅れること数年。今年になってやっと上京した私は、SNSで知人たちに向けてその報告をした。
実家や大学のある地域とは異なるが、大学進学や就職のタイミングで上京している友人たちが東京には多くいる。
「東京来たの?呑みに行こうよ」
最近までやりとりがあった人はもちろん、中にはお酒を飲めるようになってから会っていない人からも連絡がきた。部活やサークルの先輩・後輩など、卒業してからあまり交流がなかった人が私の上京を知ってくれる機会がある。SNSのない世界では実現しなかっただろう。

さて、冒頭に戻り、友人が多いと呼ばれる私である。
しかし、特別遊ぶ人が多いというわけでもなく、私が積極的なわけでもない。それでも広く友人関係を続けることができているのは、SNSによるところが大きい。

26歳。結婚式に誘われることも増えた。そうやってつながりを続けてくれる友人が多くいるのも、誘っていいと思ってくれる間柄でいられるのもありがたいことである。

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SNSがあることへの感謝をここまで述べてきたわけだが、SNSがあることへのデメリットも少なからずあると思う。
私の場合、SNSに触れた当初、周囲がツイッタラーなどと呼ばれるインターネットに精通した人が多かったため、そのような使い方が基本と思って覚えた。
結果として、それがきっかけで仲良くなれた人もいるのだが、いわゆる一般的な使い方、というよりも「オタク」「ツイッタラー」などと言われる部類に近づいたと思う。

私の人間形成および人間関係に、果たして何の害も及ぼしていないだろうか?
そんな疑問を抱きながらも、私は今日もSNSを開いてコミュニケーションをとるのだ。